表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/37

第003話 熊?いいえ人間でした

異世界第1村人、熊さんと遭遇です(笑)

「これ、お嬢ちゃんが全部倒したのか?」


私の目の前に熊みたいなおっちゃんがいます。

思わず銃剣を投げつけようとした私は間違っていないと思いたい。

いや、なにもしてない人めがけて刃物を投げるのが悪い事なのは判っているのですが…


“あっ、うん、そうだけど…おっちゃん誰?”


熊悟郎(ランの仮命名)さんにそう聞き返した。

熊悟郎さん目は魔弾で殺された4匹の狼に釘付け。

もしかしなくてもやりすぎたか?


「お、おう、俺はフォルン村のカールドってもんだ。

この近くの村のもんでな、狩をしにここまできたんだがなんかかん高い大きな音が数回聞こえたもんだから見にきたんだが。」


これは、銃声のことか?

サイレンサー付けて使用すべきだったか?

まぁ、いい、別にそれをしたのが私だとは隠す必要もあるまい。

もっとも、多少のごまかしは必要だろうけど…


“私の名前はラン。

大きな音というのはこれだと思うよ。”


そういって拳銃を見せる。


“ちょっと耳を塞いでいてね。”


そう言って熊悟郎さんが耳を手で塞ぐのを確認してから少し離れた木の幹を拳銃で撃つ。

幹には少し大きめの穴が開いた。

やっぱり現実世界より威力大きいな…

思わずこいつはマグナム弾でも使用しているのではないかと思ってしまう。

M9じゃマグナム弾なんて薬莢のサイズが違うから本来使用できないのだが…


右腰のホルスターにM9をしまって熊悟郎さんをみると口あけてポカーンの状態。

そりゃそうだろう、もし地球と同じレベルの武器の技術形態が存在するなら地球では15世紀後半にあたるこの世界ならマケット銃に相当するものが出現しているだろうがまだ一般には普及していないはずだ。

また存在を知っていてもマケット銃は全長1mから2m前後の大きな武器だから片手で持てる拳銃などは想像の範囲外だろう。

ましてや威力はそのマケット銃よりはるかに上なんだし…

もっとも魔法のある世界だ、どんな武器があっても不思議ではないかもしれないが…


「驚いたな…それは魔道具かい?」

“そんなものです”


やっはりこの世界でもゲームの世界のように魔法を使った道具があるんだ…


「そんな物を今の魔道具製作者が作れるとは思わないから多分遺跡からの発見品だと思うが。」


遺跡?小説とかでは定番の過去の魔法文明とかがあったのか?


“いや、詳しくは知らないのですよ、昔事故でなくなった父の遺品ですので。”


すまん親父…勝手に死んだことにしてしまった。(笑)

ちなみに親父は地球で元気に生きております。

ありゃ殺しても簡単にくたばらんほどの元気だ。

当分葬式とかは心配いらん。(笑)


「そうか、お父さんは多分冒険者だったんだろうな、それもそんな魔道具を見つけられるほど有能な。」

“そうなんですか?”

「うむ、お嬢ちゃんの持っているその魔道具は恐らくSSクラス以上の魔道具だろう。

普通その手のクラスは国が管理しているか大貴族くらいしか持っておらん。

あとはかなり有能な冒険者それもSクラス以上の冒険者でもない限り持ってはおらんよ。」

“へー…”

「Sクラス以上の魔道具は現在では作ることが出来ん。

その手の魔道具は現在のところ大魔道文明時代以前の遺跡の奥からしか発見されんからな。

遺跡はほとんど危険な迷宮と化しておるためほんの一部の腕利きの冒険者以外入っても帰ってこれんのだよ。」

“… (言えない…とても言えない…家に帰ってきたら尻掻きながら横になってテレビを見ていた親父しか見たこと無いなんて絶対言えない…) …”


思わず黙り込んだ俺を見て熊悟郎さんどうやらこれ以上この話に触らないほうが良いと判断したらしい。


「それで、お嬢ちゃんここで狩をして何処に行く予定だったんだね?」

“あ~、正直言うと私ここが何処だか知らないのですよ。

家の近くの森に入って木の実取りに来ていたらなぜか気がついたらまったく知らない山の中。

あの突き出ている岩山に出た時は唖然としましたよ。”

「は?」

“あの岩から村が見えたときそこに行って聞こうと思ったんですがすぐそばの森に行くつもりで出たからお金持ってきてなかったんですよね。

だから手っ取り早く売り物確保してお金稼ごうと思って狩をしたんですよ。”


口からのでまかせである。

スラスラと言い訳が出る自分に感心してしまった。


「そっか、お嬢ちゃん『さらわれ人』だったんか。」

“さらわれ人?”

「闇の精霊の悪戯でな何処か遠い所から本人に気がつかれずに浚ってきて放置するんだ。

10~20年に1回ぐらいの割合で起こるといわれておるよ。」

“はぁ…”

「あんまりあわてて無いんだな?」

“はぁ、住んでた所は引越ししてきたばかりで両親ももういないですし別段これといった相手もいなかったですしね…

別に今別の場所にいても後ろ髪惹かれるような人間関係まだ構築してなかったんですよ。

しいて言えばやっと見つかった仕事が首になるというだけですかね…”


少し困った顔を演じながら答えたが少し苦しいいいわけだったかな?

それとお袋も親父に引き続いて勝手に殺してしまってすまん。(笑)


話しながら狼の解体は中止して魔弾でボロボロになった3頭と頭だけ撃ち抜かれた2頭にそれぞれまとめ持ちやすいように首の周りにロープをつけて縛っておく。

ちなみに水の魔法で始末された穴だらけの狼は熊悟郎さんがランから目を話した隙に密かに腰のポーチに仕舞い込んだ。

ちなみに腰のポーチも背嚢と同じ四次元ポケットならぬ四次元ポーチで大きさ重量を完全に無視してしまえる。

ついでにいうとこちらは地球の『データ復元機』につながっている。

送りたいと念じながら放り込めばOK。

生きた動物や昆虫は無理だがなぜか生きた植物はOKという理不尽機能。

おかげで極力こちらの植物の『種』や『苗』を送ってくれと某医薬品メーカー研究員達に泣きながら詰め寄られたもんだ。

まぁ、病気に強い植物や新種の植物に活用されるのだろう。

ついでに遺伝子で有効なものが見つかれば薬にも活用されるらしいし。

そのあたりは雑学程度にしか知識は無いので詳しくはわからないが別個に特別報酬を組むくらいだから喉から手が出るほど欲しいのだろう。


「ならうちの村に来るといい、

その狼も程度のいいものは銀1枚にはなるだろう。」


熊悟郎さんの誘いにありがたく乗ることにした。


ちなみに貨幣制度は先行した自衛隊員によって情報がもたらされている。

鉄貨→半銅貨→銅貨→半銀貨→銀貨→半金貨→金貨の順で基本10進法であがるらしい。

つまり銅貨10枚で半銀貨1枚と同じ価値。

銀貨10枚で半金貨と同じ価値らしい。

ちなみに貨幣単位はデル(∂)。

ただ一般市民は貨幣単位より銀貨何枚とか銅貨何枚で表すらしい。


ちなみに熊悟郎さん薪集めだったそうで背中にはいっぱいの枝が背負われておりました。


「では、村まで案内する。」

“おー!”


軽々5匹の狼を担ぐランの姿を見てカールドは思う。

(うちの母ちゃんもそうだが最近の女性は力持ちだね…)

微妙な誤解を招いたままランはカールトの後に続いて森を出ることになる。

最初副題は『熊人間』でした。(笑)

ただこれだと熊の獣人と勘違いしそうなので変更。

それにしてもランちゃん3話使ってやっと森から出ました。

進行遅すぎない?


ちなみにカールドさんの名前をランは巧みに言うのを避けています。

口から『熊悟郎』と出たら最後のような気がして。

というかランはどうしても先入観ゆえの『熊悟郎』で固定してしまって本名がとっさに出なくなっています。

あって10分もしない人相手に失礼な話だ。(笑)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ