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六話  色の名前。

定期テストの時期です・・・


うぅ、また更新が遅れる・・・



金の月が輝く夜、私は異世界に覇王としてばれ、今は大きなキングサイズのベッドに腰掛けていた。


つい先ほどまで飽きる程眺めていた虹色の髪を一房つまんでかざしてみる。


金の光に照らされた髪は、自分の身体の一部とは思えないほどに美しいと思う。


・・・ナルシではないからね。


そう、これが例えこちらの世界でも異質だとしてもだ。


そうしてふと、悲鳴を上げた時のことを思い出す。


自分が異質だと言われた時のことを。






*******************************






「えええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!?」


あまりの出来事に奇声を発した私は目を見開いて固まった。


「どうかなさいましたか!?」


慌てるシエラの声にもほとんど反射で言葉をかえす。

だが所詮は反射。茫然自失の体でまともな答えなど期待してはいけない。


「これ・・・だれ・・・?」


勿論その意味が解るはずも無いシエラは首を傾げるだけだ。


「私、こんな色、してない・・・」


そもそもこんな虹色の髪と目をした人なんて存在するわけが無い。

・・・あ、居た。

某ラノベのイヌの人・・・ってそもそも現実ではないか。


もしかして、とは思うが・・・補正でも掛かったか?


とりあえずある程度は落ち着いた・・・うん、落ち着いたので、傍らでいまだに私の言葉の意味を掴みあぐねているシエラに向き直る。


「シエラさん」


「色・・・もとの色・・・ってはいっ!」


「その話は自己完結したので。すみませんね」


ぺこり、と頭を下げる。

私の予想ではこのあとすぐにシエラの慌てた声が聞こえるはずなのだが・・・


「かわいい・・・」


「え?」


予想外の単語に思わず頭をあげる。


するとほんのりと頬を桜色に染めたシエラが私を眺めていた。


ワケが解らなくて、こてん、と首をかしげた。


その途端にシエラの顔がボンッと赤く染まった。


それからくるりと後ろをむいてなにやら高速でなにかをまくし立てている。


扉のむこうからあちゃーという顔をしたロイドがやってきて、そのままシエラを強制的に扉側へと隔離してしまった。


その代わりなのか、私のそばにはいつの間にかフォンが腕組みをして立っていた。

流石は隠密。気配があまり感じられなかった。


「すまない、シエラは可愛いものに目が無いんだ」


「可愛い、ですか?」


そんな事生まれてこの方聞いたことが無い台詞に、今度は反対方向に首をかしげる。


「自覚してないのか・・・」


「自覚もなにも、私は可愛くなんかありませんよ」


苦笑と共に吐き出す言葉は何故かフォンの心の琴線に触れたらしい。


「可愛いだけでなく、美しくさえあるとは・・・なぁ覇王」


覇王という単語に眉根を寄せる。

私はそういった肩書きで呼ばれる事があまり好きではない。


「澪歌です・・・なんですか?」


「そういう顔も可愛いな・・・レイカ、私の義妹にならないか?」


「・・・はい?」


突拍子も無くフォンは爆弾を落とした。

言われた言葉の意味がよく解らないぞ?


「私はレイカがk「落ち着けコラ」っく、何をするか!私は今レイカとっ・・・!」


強制退場再び。今度はアレスが審判のようだ。

レッドカードは無いけれど審判アレスの腕力に選手フォンは敵わないらしく言葉の割にはおとなしく連行されている。


「本当に・・・ゴメン」


「キリ、別に大丈夫ですよ」


本当に申し訳なさそうにたたずむキリに罪悪感が芽生えてきた。


これは当人たちの趣向のせいもあるのだろうが、知らなかったとはいえ刺激してしまっていた(らしい)私に非があるのだ。

だから関係の無いキリが謝るのはお門違いだ。


「ごめんなさい、その、この髪の色ってこちらの世界では当たり前にある色ですか?」


「いや?今まで聞いたことも見たことも、考えた事すらない色だけど」


・・・はい?


「髪と目には属性っていって、その人の持つ魔力が色として顕著に現れるんだ」


そう言って自身の髪をいじくる。


「ボクは土の茶色に風の碧、つまりそういうことだよ」


「なるほど、キリの“そういうこと”とはつまり」


「お前が規格外ということだ」


オチをクロアに奪われた!


「通常、一人につき一色、多くとも三色が常識だ」


「うわぁ、チートだ・・・」


「ち-と?・・・まぁそれはいいとして」


よくない、全然よくない。

思っても口には出さない。

何故かって?

小心者だからだよ。


「今日はもう終わる、お前も色々あって疲れただろうから他は明日に持ち越しだ」


そう言ってクロアはそっと私の手をとって引いた。


「部屋を用意している、行くぞ」


こうして私の異世界一日目(半日)は幕を降ろしたのだった。




****************************



そこからこのやけに豪勢な部屋に連れてこられ、シエラの申し出を断ってお風呂に入って・・・で、今の状態へとつながるという事だ。


うん、思えばよくもったな私の精神。


回想を終了してみて改めて思う。





そういえば取り説を読もうと思っていたのだが、肝心の取り出し方が解らない。


私の中に入れられたのだから、身体から本を取り出すイメージでいいのか?


物は試しと、手の平に取り扱い説明書・・・あまり厚くない、むしろゲームの取り説くらいの薄さの物を思い浮かべる。

あの神なんだか面倒くさがりな性格に見えたからアバウトな内容だと思う。


そう思っていると、いつの間にか手の平の上に創造したものと寸分の狂いも無い、真っ白な取り説が乗っていた。

・・・自分で考えておいてアレだが、少しイラついたぞ神。

しかもタイトルが『天宮澪歌の取り説』って。

私は電子レンジか何かか?


脱力しかけたが、読まないことには何も出来ない。

少々癪だが仕方無くページをめくることにした。


曰く


『やぁ澪歌、元気かな☆コレを手にしてるということはこの文を読んでいるというk』


腕を大きく振りかぶって全力で床に本を叩きつける。

そして回収。

良い子は真似するな。絶対にだ。


『余計な前置きは気に入らなかったかな?でもこれがなかなか楽s』


パタンとたたんで床にブン投げる。

そして回収。

良い子は 以下略。


二回目にして読みたくなくなったがあきらめてまたページをめくる。今度は全部読みきってからにしよう。時間が勿体ない。


『戯言は 省略。

 じゃあいよいよ本題に入ろうか。一つずつ箇条書きで説明するね☆まず一つ目。


 “不老不死”

 

  1.その名の通り不老不死

  

  2.痛覚の鈍化

  

  3.驚異的な再生能力

  

  4.年齢操作。

  

  5.身体強化。


  “ん?何か色々入ってるような・・・”



  きみはもう気付いたと思うけど、なにも与えた加護一つにつき一つの能力ってわけじゃないんだ。  わたしってほら世界樹でしょ?他の神みたいにせこい能力の与え方はしたくなくてさ☆



  “なんかもう神のイメージが・・・”



  二つ目は

  “記憶の保護・強化”


   1.過去・現在に至るまでの記憶の保護。


   2.未来における記憶の保護。


   3.記憶力の強化。


   4.あらゆる動作の“記憶”



  三つ目、

  “力の肥大化”


   1.魔力・神力・精神力・筋力・視力などがEXクラスになる。


   2.武器などが説明なしで仙人クラス。

   



   “などって・・・面倒になったのか。というか仙人・・・”




  四つ目は

  “神の武器庫の使用許可”


  1.古今東西ありとあらゆる武器・防具が収められた武器庫のもの全て使用可能。


  2.武器は文化の発展と共に追加される。


  3.近代兵器も使用可能。


  4.神の武器も混じってる。


  5.ロキのいたずらで拷問器具も入ってるけど気にしないでつかっていいよ☆




  “ふざけてやがる、アホの子なんだ”




  ラスト五つ目

  “望むもの”


   これはきみが望む力を与えてくれる透明な加護なんだ。


   きみの望む色に染まり、きみの一部になる特別な力。


   好きなようにしてみなよ☆


   

   以上、説明終わり!

   きみの生に幸あれ! 

      

       ユグドラシルより


   P.S

   私物も取り説の要領で取り出せるからね☆   』





うん、大丈夫。私はまだキレてない。拳が震えるのも気のせいだ。


あの神いつか殴り倒すなんて微塵も考えてはいない。いや本当に。


・・・それにしても。


「望むもの、ね」


私の意志で決まる力、ならやはりアレしかないな。


下手すれば魔法も凌駕する最強チート能力。


目を閉じて、身体の内側にあるその透明な力を探す。


こういっては何だが、私の身体はもうすでに人外の域だ。


底が、見えないのだ。


あらゆる力の奔流の中で私はそれがどこか人事のように思えてならない。


『もっと、もっと奥・・・』


流されないように、見逃さないように、精神の奥深くまで潜り込む。


『・・・あった』


そっと抱き上げたそれは透明で、故に名も無き力の塊だった。

透明だから流されて、それでも他の流れに混じれない名無しのワタシ。


『おいで・・・名前を、力をあげる』


今にも消え入りそうな、細い糸のような流れに私はそっと呟いた。


『空想・・・幻想の具現化能力』


糸が、淡く発光しだした。


まるでその瞬間を待っているかのように。


『名を“幻想書架アリス”!!』


光が、弾けた。


一瞬だけ視界を掠めた虹色の奔流が、『よろしく』と言った気がした。






「っは・・・は・・・」


飛び起きるように目を見開くと、そこは変わらず、城の豪奢な部屋だった。

金の月もいまだ中天にある。

どうやらさほど時間は掛かっていないらしい。


でも確かにその存在を身体の内に確認できた。

それは他の奔流を圧倒し、なおかつ仲介役のように私との結びつきを強化していた。


親孝行な子だ。


ひとまず安心した私はそのままベッドに潜り込んだ。


今日はもう寝よう。

能力の確認もこの世界のことも明日の私に預けてしまって。












それからしばらくも経たない内に、豪奢な部屋には澪歌の小さな寝息だけが聞こえていた。






作「あーもう!なかなか時間がとれない!」


神「ついでに文才もないね☆」


作「神、今回はお前に文句いわれたくない・・・」


神「あー、投げられたもんねぇ」


作「開口一番?にふざけるなよ。澪歌がかわいそうだ」


神「まぁいいでしょ?それなり楽しんでくれればそれでいいし」


作「果たしてアレは楽しんでると言えるのか・・・」


神「それでは澪歌(とその他)を見てくださっている皆様!」


作「また次回におあいしましょう」


舞台裏


作「なんだよその他って」


神「澪歌以外はその他で十分☆」


作「・・・澪歌至上主義?」




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