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閑話  私の大切な覇王様

いつの間にやらPV15000アクセス突破記念!!


ついこの間アクセス解析を知りました・・・


今回の番外編は侍女のシエラ視点でお送りいたします。


読んでくださった皆様に感謝を込めて!!!



侍女の仕事は早くから始まります。


朝の、それもまだ鳥さえ寝静まっている時間から、私たちは敬愛してやまない主人のために働きます。


私、シエラはここ最近毎日が薔薇色です!何故かって?

ふふふ、知りたいですか?


・・・勿論、あのカワイイ澪歌様の寝顔を拝することが出来るからですよ!!


ああ、あのカワイイかつ美しいご尊顔を眺められるなんて・・・至福!


はっ!いけないいけない、想像したら涎が出てきました。

しかも部屋の前を数歩分も歩き過ぎてしまうというミスまで・・・


くっ、2,08秒も至福の時間を削ってしまうとは!


慌てて戻り、ノックをする。

いくら慌てていようが主人の部屋を乱暴に叩く者は侍女にあらず。

控えめかつ高い音で来訪を知らせる事が出来ないならば侍女を名乗る資格は無い!


その(心の)言葉通りに、模範的なノック音が三回打ち鳴らされる。


が、中からの返事は無い。


しかしシエラはそのままノブを回すと、するりと部屋に入り扉を閉めた。


微かな音も立てずにベッドへ近づく様はまさに忍者のよう。

しかしその欲望丸出しの目から湧き出る異様な気配は全くと言っていいほど隠せていないが。


それでも眠り続ける我等が主、覇王・澪歌の愛らしい寝顔に今日も私の鼻が()を吹いた。


真っ白なシーツにくるまってすやすやと可愛らしい寝息をたてるレイカ様。

おやおやネグリジェの肩紐がずれています・・・よ・・・


「もっももももももっ萌えええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!(超・小声。むしろ無音)」


一人で悶える侍女が一人。

実はシエラ、これが無ければ凄く可愛いお嬢様☆なのだが可愛いものには眼がない。

むしろ両目を取り出して眼にいれても痛くないと豪語する真正のロリコン・ショタコン。

世界が愛でろと叫んでいる!と叫んでる。

YESロリータ。NOタッチ。

しかし私は合法ロリショタ嗚呼でもしかし!


そんな脳内麻薬大量分泌台無だまっていればカワイイし侍女は、だらしなく弛緩させた顔を隠しもせずに頬杖をついて鑑賞タイム。


「ああ可愛いなぁ・・・もうお持ち帰りおk?みたいな感じで逝きたい」


そんな不穏な言葉にさえ獲物(レイカ)は反応しない。

普段の澪歌なら、こんな失態はしないというのに。


澪歌がこうなった理由。

それは四日ほど前、澪歌が召喚された日にまでさかのぼる。






********************






ついにやってきました・・・この時が。

先代のご不幸から随分経ってしまいましたが、今日の午後、ついに私たち王国の民は新たな覇王を迎えるのです。

それは私たちが何より望んだ事。帝国とのいさかいで疲れかけていた私たちの希望。


そんな救世主メシアとも呼べる方の侍女に選ばれたのも、この上なく名誉な事。


なのですが・・・


「あぅぅ~」


「どうしたシエラ、そんな情けない顔して」


「あう、ロイド様・・・」


「そうだよ、こんなにめでたい日なのにさ」


赤神赤目の魔王・ロイド様と茶髪に碧眼の魔王・キリ様がお声をかけて下さいました。

余談ですがこのお二方は王国の政治の中心・魔王議会の一員であり、私の幼馴染だったりします。


そんなお二方だったからでしょうか、今まで不安だった事を終に言ってしまいました。

召喚の儀へ向かう道中、私は勇気を振り絞りました。


「此度、召喚される覇王様とは、一体どのような方なのでしょうか」


「覇王様?・・・あぁ、召喚されるまで何にも解らないからな」


召喚される者は千差万別。

ただ皆がなにかしら特化した力を有しているもの。

しかし呼び出された者が、必ずしも敵にならないとは限りません。


ある国の賢者が召喚した青年は、訳も解らない世界で狂い死に、またある魔導師が召喚した女は主を殺して自分も死んでしまった。

呼ばれた瞬間に力に呑まれて死んだ者もいます。

国を一つ滅ぼした者さえいたのです。


「帝国の勇者は混乱して城の一室を手も触れずに感情だけで破壊したとか・・・」


その報告があってから、儀式の間の警備・・・騎士の数がさらに追加された。

魔王たちも万全の体勢で臨むと聞き及んでいます。


心配でならない私に、二人は一見気楽そうに笑う。


「大丈夫だって、そんなに心配しなくても僕らがいるんだから」


「そうそう、それに部屋の一つがなんだ、オレなんか広間一つ潰したんだぞ!」


「もう・・・ありがとう。すこぉしだけ元気になりました」


「「少しかよ!!」」


クスクスと笑う私は気付いていました。彼らもそれが気がかりらしいようです。

そもそも長年遊んできた相手の心の機微に気付かないほど、私は鈍感ではないですよ?


「さぁ、そろそろお着きになりますよ」


通路の途切れる先から物々しい空気が伝わってきますが、負けませんよ!


そうして眼にしたのは大勢の騎士騎士騎士・・・

そして彼らより高い位置にいる私たち九人。本来なら私も下にいるのですが、今回覇王様付きの侍女に昇格されたのでここにいます。

どうやら私たちが一番最後のようです。


うう、クロア様の目が怖い・・・


待っていたとでも言うように、クロア様が召喚の祝詞を唱えます。

普通は呪文なのですが、国の頂点となるお方を呼び出す儀式、精一杯の祝福でもってお出迎えしなければならないのです!


「現れよ 世界の愛し子 我等の王 御身に至上の幸福を ・・・開け 【世界の扉(さんぜんせかい)】」


瞬間。


途轍もない魔力の奔流が術式に渦を巻き、中心に力場を形成していく。

それは質量を持ち、やがて歪な、しかし美しい流線型の“門”になる。


異世界に繋がる神秘の門【世界の扉(さんぜんせかい)】。


そしてその中心がおもむろに口を開いた、その刹那。


全身が震えた。

眼を奪われた。

呼吸を忘れた。

瞬きすら惜しかった。


光の暴力とも言うべき閃光が収まった時、そこに居たのは女神だった。


羽のように音も無く降り立つ華奢な身体。

透き通るように白い肌は滑らかで。

肉付きの薄い細身の身体は抱きしめたら折れそうで。

清純で儚げな雰囲気なのに、その胸はふっくらとしていて。

細い腕、細い指が辿り着くのはふっくらとした桜色の小さな唇。

大きな瞳は冷たさを宿した虹の色。

膝裏まで伸びたサラサラと流れる髪もまた虹色。

妖精のように攫みどころがなくて、女神のように犯しがたいその少女は、たった一言こう言った。


「凄い・・・」


・・・。


・・・。


・・・。


・・・はい?


神聖な空気を醸し出す少女が発した鈴のように澄んだ美しい声は、見事にこの場の空気を粉砕した。


それに気付いたらしい少jy・・・覇王様がふとこちらを見上げてきました。

くりくりとした眼が尋常ではなくカワイ・・・はっ!

いけません、相手は覇王様、どんなに超弩級のストライク美幼女だからといってもそれは不敬罪にあたります!


覇王様の空気に呑まれかけていた魔王様たちも復活しました!


あ、最初に行ったのはクロア様ですか。

私としては冷たい印象のクロア様より小動物のようなキリ様が適任かと思ったのですが・・・


おや?クロア様が目線を合わせました。以外です。

覇王様もいたって自然体のように見受けられます。凄いです。


「えっと・・・初めまして?」


疑問形!何故か疑問形です覇王様!

ああでもそこがまた・・・


そこでクロア様が眼を細くして・・・困ってらっしゃる?


明日、雨降るかもしれません。


「初めて、だろうな。なにせお前を召喚したのは初めてだ」


って、いくら困ったからってそれはないですクロア様!


というか言語が通じてますよ?

召喚者にはこんな能力も付くのですね。

明らかに口の動きは違うのに・・・



黙ってしまわれた覇王様、クロア様が今度は大きく息を吸いました。


「グランフィーナの騎士達よ、ここに新たなる覇王を迎える事を宣言する!!!」


そして、男は広間を震わせるほどの大声で・・・


『おぉぉぉぉぉぉぉ!!』


『グランフィーナ万歳!!魔王議会万歳!!』


ワァァ!!と騎士たちの喝采が響き渡りました。


そこに先程までの緊張はありません。

皆が新しい覇王様を迎えることに賛同したのです。


皆が熱狂する中でただ一人、覇王様だけが大量の疑問符を頭に浮かべて立っていました。

そのがら空きの手をクロア様が引いて歩きます。


・・・羨ましいなんて思ってないんですからね!!




さて、その後色々ありました。

自身の変化に驚く覇王様、もといレイカ様。

もっとも変わっていたのは髪と眼だけだというのには驚きました。

本人がその可愛さも美しさも儚さも強さも自覚ナシというのには負けましたが。


測定器が砂塵になる所なんて初めて見ました。

しかしレイカ様の“たいそーふく”のインパクトに比べるとやはり霞んでしまいますね。

なんでもレイカ様の世界の学校ではコレを訓練時に着ていたと言うから驚きです。

きっと敵の戦意を削ぐ効果があるのでしょう、いやあります絶対に。






******************







そんなこんなで昨晩の事、なんとレイカ様が私に抱きついてきたのです!


これはアレですか?襲えと神が囁いているのでしょうか?


鼻息を抑えてよくよく観察してみると・・・あら?


「シエラ・・・私、実は・・・」


何か言いずらそうにもじもじしているレイカ様。

・・・オソイマショウカ?


そんな怪しい囁きに必死で耐える私の耳にレイカ様の声は甘美な毒のようです。


「私ね、あの朝なかなか起きれないから・・・起こしてくれると、嬉しいな」


ぐっ、大佐!もう駄目であります!レイカの戦力《萌え》は化物です!

耐えろ!耐えるんだ小娘!耐え抜いた先に楽園があるのだ!


脳内で戦争が繰り広げられるが、かろうじて(本当に僅差で)大佐りせいが辛勝しました。


「私でよければいいでふよ」


あ、噛んだ。







ということです。え?話が長いって?


何を言っているのですか!レイカ様の神々しくも麗しい様を私自ら懇切丁寧こんせつていねい(?)に説明して差し上げているというn「んん・・・」はっ!

レイカ様がお目覚めになられるようです!


この奇跡の瞬間、なんとしても見逃してなるものですか!!!







こうして侍女と主人の一日が始まるのです☆






作「皆様のおかげで番外編でございます」


神「本当にありがとう!!・・・ところでさ」


作「ん?なんだ?」


神「どうしてお礼に番外編なわけ?」


作「あぁ、本当はキャラとの対談にしようかな~と思ってたんだが」


神「だが?」


作「予想の斜め上をいっていた」


神「つまり?」


作「いや、本当につい先日アクセス解析を発見してさ」


神「へぇ、やっと見つけたんだ。気付けよ駄目人間☆」


作「るせ。で、番外編も二十話あたりで挟もうと思っていた矢先にコレだ」


神「で、作者としては予想外の数に焦って何かした方が・・・と思ったの?」


作「そう、で、丁度考えていたシエラ視点の話を上げたってわけだ」


神「へぇ、納得☆」


作「だからキャラ対談はまた別の機会に。キャラシートもいずれは」


神「まぁなんにせよおめでとう☆」


作「ははっ、ありがとう。そしてなにより」


神「澪歌と愉快な仲間たちを見守ってくださっている皆様へ」



作・神「「ほんっとうにありがとうございました!!!!」」



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