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おやつタイム

とはいえ、おやつになりそうな物なんて持ってきていない。エデルに聞いても、何も持っていないそうで。

作るか。

「エデル、私ちょっと森に入ってくるね」

「おー、行ってらっしゃい。早めに戻ってこいよ」

「うん」

森の中には野苺(スティ)位生えているだろう。ちょっと酸っぱいけど、まあまあ美味しいし我慢するか。

「うーん、無いなぁ」

森の中に入ったは良いものの、未だ見つけられるのは薬草のみ。もっと奥に行かないといけないのかな?


取り敢えず辺りを見回して、何か甘い物が生えて無いかを確認する。

「……あ!」

見慣れた花を発見。下を向いた袋のような形の花を吊り下げた袋花が、様々な色の花を咲かせて群生していた。

この花は、子供用のシロップとしても使われる位には甘い。そのまま食べる分には害無いし、色ごとに味も変わるし、良いかも。沢山あるし、いくらか貰ってこっと。


沢山袋花は採れたけど、やっぱり野苺欲しい。これだけだと甘くなり過ぎちゃうし。

というわけで、まだまだ奥へ進む。

道中で薬草やら香水に使えそうな花やらを摘んだり、キノコやらを採ったりしていたら、ちくりと指先が痛んだ。

「あいたっ。何ぃ?……あ、野苺!」

野苺の茎には鋭い刺がある。それで指を刺してしまったようだ。

野苺を回収し、ふたりの元へ戻る。


「ただいまー。おやつ採ってきたよー。準備するから待っててね」

「俺は?」

「手伝わなくても良いよ」

「了解」


野苺を一粒ずつ丁寧に洗う。洗いながら茎を外すのは、意外と大変。面倒だけど、これやらないと危ないし。

途中でひとつつまんでみたけど、意外と酸味が強く無くて美味しかった。

袋花は、花弁を取って中の蜜を取り出す。花弁も食べられるけど、これは取っておきたいから食べない。

蜜をカップに入れて、水で良く溶かした。


……それにしても、取りすぎたかもしれない。大分余ってしまった。

まあ良いや、使い道は色々あるし。

野苺をかごに入れて、即席のテーブルの上に乗せる。

「はい、お待たせー。おやつだよー」

「わ、苺?美味しそう……!」

「うん。あんまり酸っぱく無いよ。そっちの飲み物は袋花のジュースね。甘くて美味しいよ」

不思議そうに口をつけたことちゃんの顔が輝くのが見ていて楽しい。

「袋花なんてあったのか。それも、三人分も蜜が採れるほど」

「水で割ってるけどね、それ。ちょっと群生地見つけちゃった。秘密にしといてよ、流出したらプリシラ辺りがうるさい」

「はいはい」

私を軽くあしらって、優雅に野苺を口に運ぶエデルを軽くはたいて、ことちゃんに向き直る。

「ことちゃん、初めての魔法、どうだった?」

「何か、怖かった。……でも、楽しかった、かも?」

「もう一回やりたい?」

「正直に言っていい?」

「勿論」

「……今は良いや」

あら、もういいみたい。まあ怖いって言ってたし、もうちょっと軽いのをやってもらおうかな。


「おっけー、分かった。それじゃあ、おやつ食べたら別のことやろっか」


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