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召喚

『魔女と狐の墓参り』の本編です。

こっちでも出すことにしました。よろしくお願いします。

大勢の人々が見守る中で、その少女はやってきた。


淡く光る魔方陣の上、驚きで目を見開いている少女に近づく男がひとり。


「初めまして、革命者殿。神々の住まう国、トランスへようこそ」







3月14日、晴天、気温は摂氏18度ほど。


本日、トランスという国の王城の地下にて『革命者』を異世界より召喚する儀式が行われる。


地下に立ち入れるのは、限られた者のみ。


王城関係者や公爵の4人、騎士団長、断罪者、魔法協会の位持ちなど、国の中枢の奴らだけだ。


「これってさ、何のために革命者なんて呼び出すの?別になんもなくない?」


「さあ、父上の考えてることは分からないな。……リア、何も知らされてないの?」


「知ってるわけなくない?第一王子の知らないことを私が知ってたら怖いでしょ」




地下に集まった奴らの疑問は、「なぜ今から革命者なんてものを召喚するのか」だろう。


革命者は、この国、ひいては世界を揺るがすようなことが起きる時に異世界から送られてくる存在。今のところ平和なトランスには、必要がないはずだ。そもそも、革命者を呼び出す儀式なんて、聞いたことがない。


「父上は、リアなら知っているはずだって言っていたけど」


「えー?んな訳ないじゃん。カザドラ、何を根拠に……」


そんなこと。言おうとして、やめた。少し思い当たることがあったからだ。けど、あれを信じて呼び出そうとしているのなら、正直国王のカザドラの神経を疑う。




だらだらと第一王子、エデルとしゃべっていると、扉が開かれて大臣どもを引き連れた国王と王妃が現れた。


「お、噂をすれば。じゃ、私はあそこらへんに行ってるから、何かあったら呼んで」


「ああ、わかった」




騎士団長の隣に移動し、おとなしくカザドラが何か言うのを待つ。横でこちらを伺う気配がするけど、何なんだ。団長、私がおとなしいのがそんなに不思議か。




「待たせたようだな。これより、革命者を召喚する儀式を行う」


ようやくカザドラは口を開いた。


『革命者を呼び出す儀式を今日この場所で行う』、ここまでは皆知っている。


「儀式は、床に書いてある魔方陣を用いて行う」


言われて、足元を見た。確かに、床一面に魔方陣が描いてある。てか、すっごい見覚えあるんだけど、これ。


「これに魔力を込めれば、陣は起動して異世界から革命者たりえる者を呼び出すだろう」


「ち、ちょっと!異義あり、異義あーり!それ、失敗したらどうするの!?」


「失敗する事はないさ。安心してくれ」


そう自信満々に言われると、引き下がるしかない。渋々口をつぐむと、団長が頭を撫でてくれた。




「さて、魔力を持つものはこの陣に魔力を込めてくれ」


魔力を込めようとする前に、どんどん魔力が吸われていく。他の奴らもそうらしく、焦りが見え隠れしている。





魔方陣が光り出した。





魔力が魔法陣に貯まっていくほど、光はどんどん強くなっていく。ゆっくりと回りながら輝きを強めていく魔方陣。


その輝きが最高潮に達した瞬間、鍵の開く音がした。


あまりの眩しさに目を開いていられなくて、ぎゅっと目を閉じる。


光が収まって目を開いた時には






魔方陣の中心に、ひとりの少女が立っていた。



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