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兵糧丸

作者: 大石次郎

忍研(にんけん)諸君!」


いつもの放課後、制服を着た上で忍者の頭巾を被った研究員達を鼓舞する。と俺を入れても言っても3人だけだ。


小4の頃から俺の忍法研究に付き合ってくれてる百地さんと百地の友達、というだけで忍研に入ってくれてる風馬さんの2人!


忍研の命運は2年生の彼女達に掛かっていると言っても過言ではないっ。なぜならば・・

俺、3年だから! 来年いないからっ!


「ハイ、というワケで文化祭と生徒会への実績アピールの為、今日はキャッチーに! 兵糧丸(ひょうろうがん)を、作った物がこちらです」


俺はおもむろにタッパを3つ取り出した。


「調理済み?!」


「調理室を借りた意味は~??」


サクサク行こうじゃないか!


「では2人は早速実食してみてくれ」


「「えーっ?!」」


まずは小麦、バター、イチゴジャムを煎って蜂蜜で丸く固めた物。


続いて、蕎麦、ココナッツミルク、梅干しを煎って水飴で丸めた物!


ラストは米、魚粉、生姜、を煎って岩海苔で丸めた本格的なヤツ!


ここまでで既に15歳は老けた顔の2人は米の兵糧丸を口に入れた。


「・・貝の内臓、みたいな」


「オロオロオロオロっっっ」


「風馬さん?!」


これは改善の余地があるな・・



数ヵ月後の文化祭当日! 改良の結果、ネタで消化できる範囲で兵糧丸はウケた。

風馬さんが兵糧丸に食い付いた1年女子2人を捕まえて口説きまくってる。


俺はベランダに出て改良し過ぎて、駄菓子みたいになった兵糧丸を1つ口に入れて中庭を見ていた。

と、俺もだが文化祭用に完全に忍者装束の百地さんがベランダに出てきた。


「子供の頃からありがとう、百地さん」


「楽しかったからまあいいよ。大学では忍法学ばないの? ふふ」


「いや、普通に経済学。俺さ」


「うん」


「・・忍者カフェ経営しようと思って」


「オイっ?」


「ニンっ、ニン!」


「私はそこには就職しないからなっっ」


店長候補者百地さんは呆れつつ、駄菓子みたいな兵糧丸を1つ噛るのだった。

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