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詩❲家族❳

暗くて優しげな瞳の奥

作者: 日浦海里

光を映さない黒い目が

こちらをじっと見つめている


ぎゅっと閉じられた口は

何も語ってくれそうにない


真白な肌に朱く染まる頬

膨れっ面には何を溜め込んでる


少しも変わらない表情が

今の感情を表すようで


黙り込んで見つめあって

音の無い時間が続く


どんな言葉をかけたらいいのか

なんて声をかけたらいいのか


悩みながら見つめるうちに

真っ黒な瞳に心が吸い込まれていく


何も言ってくれないけれど

何でもないって言ってくれてる


嫌な気持ちを呑み込んで

優しい気持ちを溜め込んで


少しも変わらない表情で

わたしの感情を包み込むようで


気付けばぎゅっと抱き締めていて

落ち着く香りが伝わってくる


なんの言葉も必要なくて

ただそこにいてくれるだけで

光を映しこむことのない

ただ真っ黒な瞳なのに

ぬいぐるみってだけで

なぜか可愛く見えます

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― 新着の感想 ―
[一言] 赤ちゃんかな?と思ったりして。 なるほど、ぬいぐるみでしたか。 物言わぬからこそ、愛おしい。 逆に、言葉の恐ろしさ、煩わしさ、とかも感じますね 余計な一言で傷つけたり傷ついたり 何も言…
[良い点] 伝わってますよぉ。 光を映さない黒い目が こちらをじっと見つめている って、少し怖いくらいの表現で始まるのに 全編を読むととても暖かいです。
[良い点] ぬいぐるみをこんなふうに描写できるなんて、素敵です。
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