暗くて優しげな瞳の奥
光を映さない黒い目が
こちらをじっと見つめている
ぎゅっと閉じられた口は
何も語ってくれそうにない
真白な肌に朱く染まる頬
膨れっ面には何を溜め込んでる
少しも変わらない表情が
今の感情を表すようで
黙り込んで見つめあって
音の無い時間が続く
どんな言葉をかけたらいいのか
なんて声をかけたらいいのか
悩みながら見つめるうちに
真っ黒な瞳に心が吸い込まれていく
何も言ってくれないけれど
何でもないって言ってくれてる
嫌な気持ちを呑み込んで
優しい気持ちを溜め込んで
少しも変わらない表情で
わたしの感情を包み込むようで
気付けばぎゅっと抱き締めていて
落ち着く香りが伝わってくる
なんの言葉も必要なくて
ただそこにいてくれるだけで
光を映しこむことのない
ただ真っ黒な瞳なのに
ぬいぐるみってだけで
なぜか可愛く見えます




