①101号室
[入室00分]
レンタルの防音室で、毎週やっているという、ティーパーティーに来たのだが、誘ってくれたママ友もまだいなくて、思っていたティーパーティーよりも、かなり厳かな雰囲気があり、緊張がおさまらなかった。
[入室10分]
防音室ということで、窓がなくて、外が見えていないから怖いし、恐ろしいし、知らないママ友さんが声をかけてくれたが、「今日は気分がいいですね?」と、何の抑揚もなく言ってきて、会話が機械的だなと感じた。
[入室20分]
ティーパーティーということだが、本当にお茶しか出てきていなくて、ちょっとした、クラッカーにクリームチーズが乗ったものとか、三角の小さなサンドイッチみたいなものもなくて、これはすごいなと思った。
[入室30分]
部屋の外からは、中が見えないけど、防犯カメラは付いているし、クリーンな防音室だから、睡眠薬がお茶に混じっていたりは、たぶんないだろうけど、せめてジュース的なものも用意して欲しいと、心では願っていた。
[入室40分]
スイーツがようやく出てきて、もう喜んで喜んで、かなり喜んだけど、抹茶スイーツと、紅茶スイーツだけで、ティーパーティーという、素晴らしいパーティー名を、忠実な心で守っていらっしゃるな、と感心が少し漏れだした。
[入室50分]
こんなにも、時間がたったのに、ママ友という関係性なのに、子供の話は一切しないで、お茶話に花が咲いているという状況は、あまりにも理想と違っていて、逆に心地よくなってきてしまった。
[入室60分]
防音室である理由が、見つからないほど盛り上がっている気配はなかったが、私の中では、かなり盛り上がっている方で、周りは私がそんなに盛り上がっているとは、思っていないだろうけど、かなり盛り上がっていて、たぶん私は防音体質なのかもしれない。