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赤い電車

作者: ひーちゃん

私はいつものように改札へ向かっていると、改札口の手前で壁に寄りかかるように小さくうずくまっているおばあさんがいました。周囲の人達はそのおばあさんを気にとめることも無く改札を抜けて行きます。こんなおばあさんを知らないふりするなんて…と思い、私は声をかけました。

「おばあさん、大丈夫?帰れる?」

そう聞くと、おばあさんは黙ってうなずき、そのまま下を向いたままでした。

私はもう一度、「おばあさん、ホームまで連れてってあげようか?」そう聞くと、おばあさんは私にしがみつくようにつかまり一緒に歩きはじめました。

おばあさんの足取りに合わせてゆっくり歩きながらホームに辿りつくと、線路から生ぬるい風が吹き、見たことない赤い電車が入ってきました。するとおばあさんが私の手を強く握り、電車に引っ張っていこうとするのです。

声を出そうにも、まるで金縛りにでもあったかのように声が出ません。それでも必死に手を振払おうと動きましたが、大人の男の人よりももっと強い力で引っ張られるのです。

「もうダメだ!」と思った時、後に強い力で引っ張れたのです。ホームに尻もちをつくように後に転げたと同時に電車が目の前を猛スピードで走り抜けて行きました。

「大丈夫ですか?!」男の人の声でハッと我に返りましたが、何が起きたのか解らずにいました。

どうやら、私はホームに入ってきた電車に飛び込もうとしていたらしいのです。おばあさんは見ていないと…。しかし、あの時腕を掴まれた跡が青く私の腕に残っていました。

本当におばあさんは幻覚だっのでしょうか…。

今となっても不思議な体験です。

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― 新着の感想 ―
[一言] 怖いお婆さんですね。 赤い電車ということで京急が思い浮かびましたが、違う見たことない電車なのですね。 血塗られた赤い電車ということなのでしょうね。
2020/08/22 10:15 退会済み
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