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両親
夜、部屋から出れば聞こえるのは――両親の話し声。
断片的にしか聞こえないけど、父親は俺をなんとかしろとか罵倒してる。
家族のことなんか見てもないくせに、大事な家族だとか言って、口から出るのはほとんど罵りだけだし。
母親はお兄ちゃんもお姉ちゃんもしっかりしているのに、どうしてあの子だけって言ってる。
直接いうのは、逆ギレの心配とかぎあるから難しいとか言ってる。
ただ、それだけ。
会話に上がれば、そんなことばっかりだ。
あー、部屋から出なきゃよかった。
聞きたくもねぇ。
働かなきゃならないのは自分でもよく分かってる。
動けない自分に腹が立つし、腫れ物に触るように接して陰でああやって言われるのも腹が立つ。
よくわからない感情にイライラしたまま、俺は自分の部屋に戻って勢いよく扉を閉めた。
ありがとうございました。