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家族との距離感。姉ちゃんの場合
昼過ぎてから目を覚ました土曜日。
一階に降りるとリビングに姉ちゃんの姿が見えたので、気付かれないように洗面所に向かう。
まぁ、水出す音でばれるんだけどな。
「集、ちょうどよかった。アイス買ってきて」
「自分でいけばいいだろ」
姉ちゃんは頰に手を当ててため息をつく。
「アイドル並みに可愛いお姉ちゃんのお願い、聞いてくれてもいいんじゃないかな?」
「……売る側だろ」
どこがだと言いたいけどやめておく。あとが怖いし。
「何か言った?」
「なにも」
姉ちゃんは今をときめくアイドルグループ『ホワイトスター』の衣装デザイナーだ。
「そう。はいこれ、丸いのがいっぱい入ってるやつね。あまりは好きなもの買っていいから、よろしく」
威圧気味の笑顔で握らされたのは千円札。
どうやら拒否権はないらしい。心の声は読まれていたようだ。
今度はこっちがため息を吐いた。
「行ってくる……」
「行ってらっしゃい」
なんだかんだで仲はいいです。
時折、口うるさいときがあるので煩わしく思うときが集にはあります。




