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出発準備
「ほら、さっさと起きる!」
掛け布団を勢いよく剥がされ、渋々起き上がるとカーテンが開けられていてひどく眩しい。
「……なんだよ」
「人がせっかく起こしに来てあげたのに」
ああ、そっか。
姉ちゃんの仕事場に行くんだったか。
「急がないとすぐ行くわよ」
剥がした布団を俺に投げつけると姉ちゃんは自分の準備があると部屋から出て行った。
口ではそう言ってたけど準備にはしっかり時間はありそうだ。
正直、不安しかないけども一応フォローしてくれる人がいるってのがあると少しは精神的に楽だな。
送り迎えもしてくれるっていうし。
スーパーの時と違って朝飯も押し込むことなく食えたし、気分的にまだ良いんだろ。
俺が飯を食ってる間に姉ちゃんは俺の手持ちの服から上手いこと組み合わせてまともな格好になるように選んでいたらしく、俺はそれに着替えた。
うーん、こんな服持ってたか?
どこから引っ張り出したんだか。
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