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呼んだのは
夜の居酒屋で集の父とおじは酒を飲みながら会話をする。
「それにしても驚いたよ、兄さん」
「なにがだ?」
「なにって兄さんから集を励ましてやってくれなんてさ。伊吹からも連絡はもらっていたけどね」
「そうか」
短くいって誤魔化すように、目の前のつまみを口に詰め込む父。
見透かしたように笑うおじは、小さくため息をつく。
「一応はさ、話してくれたよ。集は言う気はなさそうだから言わないけど、散々に言われてたよ。泣きながら教えてくれた」
「泣いて……」
「言うべき言葉ではないよ。よく耐えたと思う」
「そうか」
それから少し、集たち兄弟の最近の様子を聴きつつ、おじはビールの入ったジョッキを持ったまま、思いついた閃きを口にする。
「どうかな?集次第だけど」
ありがとうございました。
なんだかんだで心配はしてる父です。
兄と姉は接し方は変わらずの感じです。




