成り下がりギャルと俺の中の神展開
俺は高尾安彦
今日も今日とて暇でぼっちである。
暇だなー
「暇だなー」
授業もだるいし友達も少ないし(決していないわけじゃない)
毎日が退屈でしょうがない
そして今日も今日とて陰口のオンパレードである
ほら、耳をすませば・・・
「チープマンまたなんか独り言いってるよ〜」
「きんっも!」
悪かったな、そこまで溜めてまで言うことじゃないだろ
泣くぞ
いい加減イライラしてきたからそろそろまた水でも飲みに行くか
騒々しい教室を出て廊下に出れば小学生みたいな野球部のバカどもが走り回ってる
小学生かよ
本当に学校だるいな〜
せめて咲に会えねえかな〜
なんだかんだあいつと話している時が一番落ち着く
やべぇ、俺咲のこと好きなのかな
まあいいや
そろそろ水道か
俺たちの教室の近くにある水道は人が多すぎるからいつも少し遠い学校の隅の水道に水を飲みにいってる
人混みは苦手だし(言うほど多くもないが)
ん?
あれ?
誰かいる?
あ、仮屋ゆいだ
「珍しな、お前みたいな陽キャがこんなとこにいるなんて」
「私、その陽キャとかいう言葉が嫌い」
「あ、そう
で何でそんなところにいるのさ」
「昨日のあの一件以来あいつらと一緒にいるのが気まずくなってね」
「そうか
それはすまないことをしたな」
「別にあなたが謝ることじゃないでしょ
悪いのはあいつらの方なんだから
それよりあんたちゃんと人と喋れるんだね」
「うるせえな!
俺をただのコミュ障だと思うなよ!」
「はいはい」
「それよりお前、こんなとこ来なくてももうちょっとマシな場所とかなかったのかよ
他のクラスに友達いないのかよ」
「うるさいな
あんたにだけは言われたくない」
「確かに」
「自分で言うかよ
まあいいや
じゃあね、そろそろ授業始まるからあんたも遅れないようにね」
「真面目か!」
はぁ、陽キャもいろいろあるんだな
面倒臭いからあんまり関わらないようにしよう
キーンコーン
あ、予鈴だ
面倒臭いな
帰るか
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そしてあっという間に放課後になりました
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「あ〜午後の授業長かった・・・」
「おい高尾、お客だぞ」
「は?」
珍しいな、俺みたいなぼっちに客なんて
「お前、あんな可愛い彼女いたのな」
彼女?
俺に彼女なんて、・・・って咲じゃねえか!
こっち見て可愛らしく手を振ってるけど
でも残念ながら俺に彼女なんていないんだよな〜
「どうしたんだよ、珍しいな俺の教室にくるなんて」
「いや、今日一緒に帰りたいなって思って!」
可愛い!
ってか、いいのか!
ぼっちの俺もとうとう報われる時がくるのか!