#75 最終回
パチパチと瞬きすると仲間が見下ろしていた。
「アマランスぅ!」
首をシュリに巻き付かれ
「ゔ……」
「ごめんごめん」
涙と鼻水でぐしゃぐしゃになったシュリの顔。
アマランスはシュリが駆け出したすぐ後に気を失ったのだった。
そしてあの戦いから三日後である。あの傷でここまでの回復力は奇跡に近いのだという。
ソーアはアマランスの回復力に驚いたが、ここが医務室だということにも驚いた。なんでもできるんだな。
「そうだ! 太陽は?」
窓の外を見るといつもの昼の景色。
「太陽が上がらないんじゃなかったの?」
「それは爆破が起こったその日のうちに修復されたんです」
ソーアが答える。
「誰が?」
「ダイヤモンド女王です」
アマランスの目が見開かれた。
「女王が⁉︎」
ソーアは頷く。アマランス以外の仲間には言った自分の仮説を話す。
「この世界の真理。それは『太陽が人工物』だということです」
「は? え?」
「あくまで僕の仮説ですがこれしか考えられない理由が二つあります。それは、第一に地下世界に太陽があるということ」
息継ぎをする。
「第二にフォックスが言った、明かりが消えたと同時に太陽はもう上がらないという言葉。これらのことを思うに人工物であるということです」
最もなような気がするが腑に落ちないのが否めない。
「なんか、話が飛びすぎやないか?」
「僕も自分から言っておいてそれがただの妄想だという気がします。ですが、それしか考えられないんです」
過剰に信じ切ってしまっているのかもしれない。
「だから、これから女王に会いに行こうと思って」
†
三日前、陽動作戦として使用された街にて――
白ローブに身を包んだ男たちがいた。焼けた街の匂いが漂い悲惨な状況だった。一人の男が黒こげの死体を指差す。
「こいつは騎士団の輩か?」
「はい。観測された中でも特に優秀な人材です」
「わかった。こいつに例のものを」
他の男たちがざわめいた。
「しかし、こいつは軍人です! もし記憶が戻ったら……」
「大丈夫だ。そんな事例は確認されたことはない」
「しか……ン!」
男が反論する男の口に拳銃を突き立てた。
見開かれる瞳。
ダンッ――男はただの死体となった。
「例のものを」
別の男が無言で小さな箱を手渡す。
その中には注射器が入っていた。液体が入っている。
男は黒こげの死体に注射器を刺し、注入する。
すると、みるみるうちに体が元に戻っていく。
頭部、腕、腹、腰、脚。
ただ右の頬には火傷の跡が残った。
これは息絶える寸前までの体を復元し、新しく魂を吹き込む。
それ以前の記憶を消去し。
復元された人間が男の前に立つ。
「君の名前はなんだ?」
「シエルだ」
ここまでシェアタイズを読んでいただきありがとうございました!
気が向いたらまた書き出すかもしれませんがこれにて投稿を締めさせて頂きます。
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