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#73 大胆な作戦

 放たれる紫の破滅弾。


 「よし!」


 柱の陰からソーアは思わずガッツポーズをした。

 完璧におとり作戦はうまくいった。

 横にいたイグニスは一瞬、目を見開くと眉間にしわを寄せると。


 「いや――まだだッ!」


 チラリとイグニスの顔を見るといつになく真剣な顔。

 もう一度視線を戻した時には遅かった。

 ビリッ――青黒い電流。

 瞬間、破滅弾は虚空で消えた。


 「は……?」


 あまりの出来事に目を疑った。

 新技という一縷の望みをかけてアマランスの方を見る。

 だが、アマランスもわけが分からないと言いたげに呆然としていた。

 ロボットが反転し銃口をアマランスに突きつける。

 呆気にとられた佇まいの隙をここぞとばかりに銃弾を撃ち放つ。


 「アマさん!」


 ソーアの叫びは機関銃の轟音によってかき消される。

 

 「アマのことだ。きっと大丈夫〜!」

 

 いつものペースに戻ったイグニスの言葉にぎこちなく頷く。

 そう信じるしかなかった。

 

 「さて、そろそろフィナーレと行きますか!」


 フォックスの声と同時に次々と聞こえる爆発音。

 途端、辺りは闇の世界へと変貌した。

 ピカピカと光る機械も天井の白い電気も全てが消えていた。

 地下世界に電気はないが停電としか考えられなかった。

 

 「クソッ! なにをした!」

 「ここに太陽が上がることはもうないわね」


 ソーアの怒りで歪む顔にフォックスは嘲笑うような笑みを浮かべる。


 「あなた達を捕まえる!」


 ニュンという機械独特の音が微かに聞こえた後、地面を叩き割るかのようなに、ドン――と駆け出した。

 物凄い突進。今の今まで遊びだというかのように。ロボットは今ソーア達のいる柱とシュリ達のいる柱の真ん中にいた。

 ソーア達は柱に沿ってロボットから体を見せないようにする。


 「どっちから捕まえようかな」


 フォックスは左右を見てどちらにしようか決めかねている。

 煽るような余裕の振る舞い。それもそのはず戦局は圧倒的に向こうの方が有利だ。


 「何か、何か策は!」

 「イグニスさん。策なら一つ……」


 正直この作戦を話すのは憚られた。

 それは成功率が低すぎることと大胆すぎるからだ。

 手短にイグニスとダーリャに説明すると、二人は目を見開きながら言った。


 「大胆だね〜」

 「大胆ですね」

 


 


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