#51 任務
目の前の扉が開け放たれる。白と金の壁。いかにもといった感じだ。
両脇に参列する騎士団の人々。その最奥には高級そうなイスに腰掛け頭に冠を乗せた、おばあさんがいた。
女王様だと知っているからか、並々ならぬオーラが感じられた。
「ソーア様、シュリ様、ご到着です!」
執事に促されるままに中央へと歩みを進める。
アマランス達は扉の付近に並んだ。もちろんシエルは別の部屋に連れて行かれ気絶したままだ。
事前にアマランスから予習していた通り、片膝を立ててしゃがみ、足もとを見る。
一連の流れがワンセットらしい。
「お顔をお上げになってください」
春の太陽のような優しさが溢れる声が会場を包む。
ゆっくりと顔をあげる。温かみのある目線がソーアの目線と交差する。
「二人ともよく来てくれました。私がダイヤモンドです。まずはダーリャの救出。ありがとう」
わざわざイスから立ち上がり、深々とお辞儀をした。
「あっ……」
止めようとしたが、いつものことらしく周りもなにも言わない。
女王様ってそんなに頭下げてもいいのかなぁ?
そんなことを思っていると、イスに座り直した。
「では……」
女王の横に立つ騎士に目配せした。きっと、上の階級なのだろう。
「ソーア、シュリ両名に勲章を授与する」
あれ? 入団式だって聞いてたのに
かすかな疑問のモヤが胸中に広がる。
勲章はペンダントのようだった。
ダイヤモンド女王が後ろに回り、首につける。シエルのお下がりの服の下に入れた誕生日のペンダントとかさなる。
離れぎは、
「所属部隊は後で伝えるわ」
と二人にだけにしか聞こえない小さな声で耳打ちした。
「「えっ?……」」
驚きに目を見開く二人に微笑むとイスに戻っていった。
背中が話すことはなにもないと語っているようだった。
ここでは言えない大事な任務なのだろうか……




