#005 闇を抱えた救世主
「カラフル騎士団だ!」
金髪の男は、右手に剣を持ちながら素早く近ずき、左手でシュリの手からナイフを奪いとった。
「子供に強盗が襲われていると聞いたが形勢逆転していたとはなあ、アマ」
金髪の男は呼びかけるように言った。
「ほんまやね〜」
いつのまに来ていたのか裏側に母と同じ紫色の髪の毛をした女性が立っていた。
この人も男と同じ黒い服だった。
「もはやどっちが被害者かわからへんやん」
アマは笑いながらシュリに手を伸ばした。
「ありがとう」
シュリは手をとって立ち上がった。
「あ、ありがとうございましたっ」
ソーアは二人にぺこりとお辞儀した。
「人の安全を守るのがカラフル騎士団の役目だからね」
金髪の男はにこっと笑っいながら自分の指を剣先につけると素早く引いた。
すると、アリの行列のような黄色のつぶつぶが連なって出てきた。
瞬間、黄色の手錠になっていた。
「「おおー」」
シュリとソーアは目を見開いた。
「あっしもた。杖、ごはん食べてたとこに忘れてきたわー」
「えーじゃあアマの分も作ってやるよ」
そう言うと、金髪の男は六つ手錠を作ると三つ渡した。
全員に手錠を繋ぎ終えるとアマは金髪の男の肩を叩いた。
「ほな本部まで連行よろしくっ!」
「げぇっ、何で?」
金髪の男はあからさまに嫌そうな顔をした。
「私はこの子たちに話ききたいねん」
「んーわかったよ」
金髪は渋々といった感じで承諾して刀を背中になおし、強盗を連れて行った。
「私はアマランスさっきの金髪はライ。あなたたちは?」
「私はシュリでこっちはソーアよ。よろしく」
「シュリちゃんとソーアくんね。こんなところで何しとったん?」
「実は私たち靴を探して街に入ったのだけど、ソーアが人いるとこ苦手って言うから脇道に入ったのよ、そしたらおそわれて助けられたところ」
「んじゃあ、靴買ってあげるわ」
ソーアは手を横に激しく振る。
「え、え、そんなの頂けないです……」
「ええって、ええって」
でも、とアマランスは海の底のような、低い声でこう言った。
「そのペンダントについて詳しく聞かせてや」
あまりの圧力に二人はうなずくことしかできなかった。