#049 照れ隠し
「じゃあ、改めて。会議をはじめんで。まず、ダーリャはどうなったん?」
腕を組んだアマランスはライに視線を移す。そいえば、ダーリャとあのゴーストの女性。二人を処理したのはライだったな。
「ダーリャは今も医務室で眠っている。あと、ゴーストの方は結局名前を割らなかった。そして、ソーア、シュリ。君達と面会したいらしい」
双眸を二人に向けながらあまりの予想だにしないことに疑問符が浮かぶ。
「どうしてですか?」
「なんでも、君たちになら重大情報を提供するとかなんとか」
重大情報とは一体なんなのだろうか。カラフル騎士団にも入団していないのに……
「おい。確か明日だったよな」
「あー! 忘れとった!」
シエルの言葉で思い出し、アマランスは弾かれたようにイスから立ち上がった。
そして、ソーアとシュリに視線を移した。
「明日、正式にカラフル騎士団に入団が決まったから」
「「へ?」」
唐突すぎる話に二人ともついて行けなかった。また二人の頭に疑問符が浮かぶ。
「ま〜た、大事なこと忘れてたの〜?」
イグニスの言い草だと、アマランスはよく大事なことを忘れるクセがあるらしい。
「えへへ。面目ない」
恥ずかしそうに笑いながら右手で頭をかいた。照れ隠しだ。
「あと、ソーアは大丈夫だと思うが、おいシュリ!」
「なんだよ」
ぶっきらぼうにそっぽを向くと、シエルは指差して、
「それだよ! その言葉使いが危険なんだ。ダイヤモンド女王に対して敬語を絶対使えよ! 絶対に!」
「だいやもんどぉ?」
「この国の女王様やね。私たちは女王に絶対服従や。もし、逆らったりしたら〜……」
両手で指をうようよさせながら、「オバケが出るぞ〜」とからかうような顔で徐々に近づいてくるアマランスに恐ろしさを感じたのか、
「うぇぇぇぇっ!」とシュリは変な奇声を上げ、ソーアの後ろに回り込んだ。
ガタガタ震えながら、ソーアを盾とし、ジト目で「にゃははは」と笑うアマランスを睨みつける。
昔からオバケとかそういう系には苦手だった。
「はぁ〜」
ソーアは深くため息をついた。
ときどきどっちが年上か分からなくなる。と、いっても数分しか変わらないが。
後ろにいるシュリに向き直る。
「とりあえず、極力しゃべらなければいいんだよ。もし話しかけられたら、なるべく綺麗な言葉を使って」
「わかったよ」
フグのように頬を少し膨張させてふてくされたように言った後、下を向いた。
場の全員が照れ隠しだと一眼で分かった。




