#44 合流
やっぱり。この子は誰かに操られていたんだ。
そんなことどうしてわかるんだよ。
ん〜勘?
は?
とにかく、そんな気がしたんだ。それに『ここは』って気を失う前言ってただろ。
んまぁそうだけど……
まだスイキは納得していない様だ。
とりあえずここを出るぞ。
その前に誰か来るぞ。
スイキに言われ、とっさに身構える。
ダーンと扉を開ける音が部屋中に響いた。
そこにはゴーストが何十人かいた。
「チッ」
次から次へとキリがない。星の数ほどいるんじゃないか。
踏み込む体制を取った瞬間。
「ぐはぁ……」
一人のゴーストが断末魔をあげた。
それを境として、銃声やら金属が交わる音やらと共に、ゴーストの断末魔が何十体も重なり気持ちの悪い不協和音を奏でた。
ゴーストの山がいなくなるとモグラ叩きのモグラの様にひょこっとシュリが顔を覗かせた。
「あっ! ソーア! みんな見てみてソーア!」
指をさして、言うや否や、アマランス、シエル、イグニス、それにライも顔を出した。オールスター登場である。
「ほんまや! ソーア君や!」
「ソーア〜」
「あっ……」とライがソーアの方に指差した。だがその指は、後ろの倒れた少女に向けられていた。
「あれ、ダーリャか?」
みんなに確認を求めるように、シエルが言った。
「うん。そうやけど……」
「ソーアに制圧されたようやね」
アマランスが小走りで近づいてきた。みんなもアマランスに続く。
「大丈夫? ソーア君」
「うん。僕はなんとか……この子、おそってきたから戦ったけど、殺してはないよ」
「良かった。その子はダーリャ。今は気を失っているみたいやな。良かった……」
安心し切った顔で胸を撫で下ろした。
「アマ。安心し切るのはまだ早いよ。俺の記憶があっていれば。この下に……」
下の地面探ると、取手のようなものがあった。ライが取手を引っ張ると下に続く通路が現れた。
「たぶん、この下に、ダーリャを操っていた奴がいるはずだ」
その声に電流が走ったかのようにみんながライに疑いの目を向けた。
「どうしてそんなことがわかるんだよ」
シエルがみんなの気持ちを代弁するかのように聞いた。
「だいたい操る系の能力は近くにいないと発動できないんだよ。それに近ければ近いほど精密なことを操れる。ソーアはたぶんそれなりに手こずったんだろ?」
「えっ……そうですけど、どうして?」
「大会優勝者がこんなふうにするなんて考えられなかったからな」
ライは辺りを見渡しながら言った。確かに床はビシャビシャで、壁はズタボロになっていた。
「つまり、それだけダーリャは細かい動きをしてたんだろ?」
「は、はい」
この人の観察力はえげつない。そんなことも予想できるなんて。
「そこでだ。こんな隠れやすくて近い場所。他にないだろ」
しゃがんで、ポンポンと扉を叩いた。
「じゃあアマ。三人についといてくれ」
シエルの言葉に異議有りといった感じでシュリが一歩前に出た。
「どうして私は置いていくんだよ」
「お前はただでさえ、大会のすぐ後なんだ。疲れていることは自分が一番わかっているはずだ」
「でも、私は――」
「シュリちゃん。私から見てても無理してるのはわかるよ」
面を食らったような顔になると、しぶしぶといった感じでうなずいた。




