#036 強力な助っ人
夜明け二時間前、すっかり寝静まった街。アマランスの家にて。
「と、いうわけで強力な助っ人や」
肩を叩かれて紹介されたのは金髪の青年。カラフル騎士団の制服をキッチリライだった。
「って強力な助っ人ってライかよ拍子抜けした」
「でもシエルだって知り合いでよかったやろ?」
「まあ、知っていることに越したことはないが」
「しかも、ゴースト絡みだからライが最適やろ? ああイグニスは知らんかったね。この人はライ。ゴーストを追うことを専門にしている騎士や」
「よろしく」
差し出したライの手を数秒見つめた後。
「ああ……よろしく」
イグニスは寝不足なのか覇気のない声で握りなおす。
「おひさ。ライ」
まるで友達のように馴れ馴れしく手を上げるシュリに困惑した様子のライにアマランスが補足する。
「ああ、この子は前に強盗におそわれたけど逆転してた子おったやろ? その子がシュリちゃんや」
合点がいったのか「ああ」と声を漏らした。
「君がシュリか話は聞いてるよ。よろしく」
「ああ、よろしく」
「よし、じゃあ早速出発するぞ」
家の扉を開けると四ひきのグリフォンが待機していた。
『ご主人様〜』と言わんばかりに翼をバタつかせながら立ち上がった。
この世界は大きく移動する時はグリフォンを使うのだそうだ。
バタついているグリフォンを落ち着かせアマランスはそれにまたがった。
「シュリちゃんのって」
アマランスの後部、グリフォンの背中を軽く叩く。
「危ないから本当はしたらいけないんだけどね」
シュリの手を取って、後ろに乗せる。
「意外とモフモフしてるな」
みんなが乗ったことを確認すると静かな声で号令をかけた。
「じゃあ、しゅっぱーつ!」
瞬間、大きな羽音が、聞こえたかと思うと体は空中に浮いていた。
「うああっ」
「ふふふ。しっかり捕まっといてや〜」
シュリの反応を楽しんでいるようだった。
アマランスの背中に力強くしがみつくとグリフォンの背中を三回叩いた。
それが合図だったのか更に加速した。




