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#033 ダーリャ

「どっ……どうしてですか⁉︎」

 

 日は落ち、物静かな街とは対照的にカラフル騎士団本部にて一際大きいアマランスの声が響いた。


 「どうしたも、こうしたも今は大事な会議中です。絶対に立ち入ることは許されません」

 

 前にソーアとシュリが誤って入室してしまったことを境に入り口の扉の前にも騎士が二人配置されるようになった。

 絶対に立ち入りたいアマランスと絶対に立ち入らせたくない扉の側に立つ二人の騎士との攻防戦が始まった。

 

 「むむむむむむ〜」

 「やめてください」

 「重罪ですよ」


 『どちらも戦況は一進一退さあ〜どちらが勝つのか〜!』


 という感じの実況がきこえてきそうな戦い。

 勝敗はもちろん――負けだ。


 ソファにざぶん、という音と同時にアマランスがダイブし、子供のように足をバタつかせている。


 「んんん〜〜」


 多分『負けた〜』と言っているのだろうが真相は闇の中である。

 

 「まああれは完全に言いくるめられましたわよね奥様」

 「なんで毎回オネェのときは俺の方を見るんだイグニス。まぁアマ、明日にはジジイに直接言えるってあいつらも言ってたから大丈夫だろ」

 「そうよね。こうしちゃいられへん。ソーア君の位置を早く見つけなきゃ」


 すぐに立ち上がり、本棚に入っている本を左から右に撫でるように滑らせていく。


 「そういえば、あのとき何に気づいたんだ?」


 シエルの言葉であの時の言葉を思い出す。


 『ん? あなたまさか……』


 シュリの脳内にも鮮明に思い返された。

 明らかに不自然な言葉。

 その言葉はあの現場において一様に疑問符を作った。


 「あの子は……妹のようにしたっていた子。可憐な声、驚くほどの低身長、そして風のカラの使い手――ダーリャ・シルバー」

 


 


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