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#015 カラ

 「……い。……きろ。お〜き〜ろ。起きろってんだろ‼︎」


 急に身体が傾いたと思うと左半身に電撃が走るような激痛が走った。


 「いたたた。なんだよ」


 ソーアはベットと共に九十度、一気に倒された。


 「はやく起きろ」


 倒れた白色のベットの上から頭をひょこっと頭を出す赤毛。シュリの怒りが爆発寸前の顔でソーアを睨みつけていた。


 「ここはどこだ?」

 「わかるわけないよ。私もさっき起きたから」


 部屋全体は白一色で統一された部屋。

 窓からは太陽の光が差し込み、その窓を挟んで白のベットが二つずつ計四つおかれていた。

 そして、どこかで嗅いだことのある独特な臭いが漂っていた。


 なんだこの臭いは? 消毒液? ということは病院か?


 「大丈夫か!」


 扉が無造作に開けられた。その先には安心した様子で胸をなで下ろすアマランスが立っていた。


 「二人ともやっと起きたか。倒れてから一日中ずっと寝とったから心配しとってん」


 「倒れた……?」

 「一日中……?」


 二人とも状況が理解できなかった。


 「覚えてへんのかいな。カラを使った時に一気にカラを放出しすぎてしもたんか体力を使いすぎてぶっ倒れてん」

 「えっじゃあ大会まであと五日しかないってこと?」


 ソーアが焦りの色をにじませた。


 「そうやねん。だから今すぐ外に出てきて本格的に訓練すんで」

 「あ、ちょっと待って」


 シュリがとっさに呼び止めた。


 「ここ、どこ」

 「医務室やで」



 太陽が庭に照りつけるある日の昼。


 「まず、シュリとソーアには剣の練習をしてもらう」


 イグニスが木刀を二人に渡した。


 「イグニス。これ、俺がいる意味あんのか?」


 遠くで退屈そうに皆を見ていたシエルは近寄ってきた。


 「あるよ。だって君は青髪。ソーア君も青髪だからだよ」

 「説明になってねぇよ」

 「あの〜カラと髪の色って関係があるんですか?」


 シエルが戻ろうとする足がピタリと止まった。

 アマランスが答える。


 「あーあ言ってへんかったな。髪の色によって使えるカラの系統が変わるねん。赤なら火の系統、青なら水の系統、紫なら破滅の系統などなど色々あるねん。だからシュリちゃんは火の系統を使うイグニスが適任で、ソーア君ならシエルが適任ってことやねん」

 「ん? 破滅ってどういう……」

 「こうゆうことや」


 ソーアが言い切る前に杖を取り出した。

 アマランスの杖は命が宿っているかのようだった。

 杖はアマランスの手から順々に紫のラインが迸り、先端に紫の球が生成された。

 端に置いていた荷車に目を留めると「ハァッ!」と覇気のある声で張り上げた。

 紫の球が物凄い勢いで荷車に飛んで行き十文字型に四つに分断された。

 すると、荷車は重力によって地面に叩きつけられ、音をたててテンポ良く崩れ落ちた。


 「アマ、これ壊して良いのかよ」


 イグニスが苦笑した。


 「ええやろ。どうせゴミ行きやし」


 アマランスはけろりとした表情で答える。


 「こんな感じで魔女の血を引く私や姉ちゃんは破滅のカラをつかえんねん。まあ、昔、魔女狩りが行われてしもて、今魔女の血を引く人は百人しかいないんやけどね」


 「あ、あ、あ、すげぇ……」


 ソーアは声が出ないほど感心した。

 

 「おい。何で周知の事実であるカラの事を何一つ知らないんだ?」


 シエルの怒りに声を震わせた声が背中越しから伝わってきた。

 


 



 

 

 

 


 

 

 


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