#014 凄まじいカラ
「うぉーすごいところだなぁこれ」
「でかいわねぇ」
二人は目の前の建物に感嘆の声をもらした。
お城のような立派な建物。その周りを囲む大きな外壁。
外壁はソーアの身長の二倍以上の大きさがあった。
この建物がカラフル騎士団の本部らしい。
そして、昨日の裁判所。
今回は特別にこの庭を訓練に使って良いらしい。
巨大な門の両脇に立っていたふたりの門番が黙って門を開けた。
「おーい! お二人さんごめんごめん」
門を開けてもらうとアマランスは前方に見える二人の青年に大きく手を振った。
「まってへんか?」
アマランスは二人にフレンドリーに話しかけた。
「全然大丈夫だよ〜」
ソーア達から見て左側にいた赤髪の青年が好意的に答えた。
赤髪の青年の左側の腰には黒い鞘に刀が帯刀されていた。
「おい、一分遅れてるぞ」
右側の青髪の青年は神経質そうに答えた。
赤髪とは違い青髪の青年は左の腰にはホルスターに水色の銃を携帯していた。
「もう……二人は相変わらず対象的やな。ほな、この二人が今日からあなたたちの先生やから」
ため息をつくとアマランスはソーアたちに紹介した。
「赤髪の子がルビー・イグニスや。火のカラを使い手や。シュリちゃんの担当してもらう」
「よろしく」
シュリがイグニスに手を差し伸べた。
「よぅろしく!」
元気よすぎる声でイグニスが力強く握った。
「んで、青髪の子がソーアくんの担当のサファイア・シエル。水のカラの使い手や」
「よろしくお願いします」
ソーアはぺこりと九十度体を折り曲げると、下から額を押された。
「敬礼は九十度じゃない三十度もしくは四十五度だ」
この時、ソーアは悟った。
こいつ絶対めんどくさいやつだと……。
「ふたりともカラ使ったことあるよね?」
アマランスはソーアとシュリにあたかも当然だと言うように訊いた。
「えっいや……」
「そもそもカラって何?」
ソーアの言葉に付け足すようにシュリが言った。
「えっ……カラって何かわからないの⁉︎」
「は?」
イグニスとシエルの言葉を代弁するかのようにアマランスは面をくらっていた。
「カラって言うのはカラ能力者全員が全身に宿している力のこと。能力者はみんな早くて七歳。遅くても十二歳までには能力が発揮されるはずだけど……。今、何歳?」
イグニスは困惑した表情で双子を見た。
「じゅ、十三歳です……」
ソーアは俯いた。
「おいアマランスこいつら髪の色が赤と青なのに何で能力者じゃないんだよ! そもそもの話、リーラの子供なのに何で髪の色が赤と青なんだよ!」
シエルはアマランスに問いただした。
「そ、それは……」
言い返せなくなり俯いてしまった。
「まあまあ、平民との子供だったら全然ある話じゃ無いか」
イグニスがシエルをなだめると、ソーアたちに向き直った。
「十三歳でもカラが後から目覚めることはまれにあるよ」
ソーアとシュリの後ろに回り込んだイグニスがフォローをし、二人の背中にそっと手を置いた。
「さあ、深く息を吸い込んで。全身のカラ達に空気を行き渡らせるようにして〜」
二人はイグニスの言う通りゆっくり息を吸い込んだ。
「勢いよく〜はくっ!」
二人は勢いよくはいた。
瞬間、アマランス、イグニス、シエルの三人は後方に勢いよく飛ばされた。
「な、何が起こった――」
アマランスは目を見張った。
ふたりの地面はヒビが入り、足元に落ちていた小石は全て粉々になっていた。
「す、凄まじいカラだ。これがリーラの子供だというのか……」
さっきまでアマランスを追い詰めていた威勢はどこへやらシエルも目を丸くしていた。




