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#013 大会に勝つために

 「えええええっ!」


 アマランスは目が飛び出るほど驚いた。

 「こほん」自分を自制して声を低くした。


 「じゃあ、私の弟を殺したんはあんたらの父親って言うこと⁉︎ ……今すぐ私をあんたらの父親に合わせろっ!」


 アマランスはテーブルにヒビが入るほど強く打ち付けた。


 「うわぁぁ」


 驚いてソーアは後ろに派手な音をたてて倒れてしまった。


 「あっ……でもまだそうだと決まったわけじゃないんで……。僕たちの父親は殺されましたし。白ローブの奴らに……」

 「せ、せやねまだ決まった訳じゃないし。あなたたちが悪いわけやないしね……嫌なこと思い出させてごめん」


 時計をチラッと見ると突然大きな声を上げた。


 「やばいやばい、時間まであと十分しかないやん。はよ朝ごはん食べて」

 「えっちょちょ何で急いでるんですか?」

 「昨日、明日は訓練や言うとったやろ。大会に向けての」

 「あ、はいっ」


 二人は弾かれたように朝食をかきこんだ。

 

 「今日は泊めてくれてありがとうございました」

 「え、何言っとんの? ずっとおってくれて構わんで」

 

 二人は目を見開いた。

 ずっといるのは流石に迷惑だと思った。


 「え! いいんですか? あなたの弟さんを殺した人の子供かもしれないんですよ」

 「あのなソーアくん、シュリちゃん」


 アマランスは二人の頭に手を置いた。


 「あなたたちは何の罪もないんや。別に父親がいくら悪くても子供は何の罪もないんやから気にすることないよ」


 ましてやリーラの子やし、と付け足し、ニッと笑った。


 「だから、安心してこの家に帰ってき」

 「はいっ!」


 ソーアはアマランスの温情に涙ぐみながらも威勢よく答えた。

 シュリは温情を感じすぎてまた下に水溜りができている。


 「さあ、行くで! 大会に勝つために」

 


 

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