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#012 ロボット

 「むゎ〜おはよ〜」


 シュリが眠そうにあくびしながら階段を降りてきた。

 ソーアはダイニングチェアに座っていた。   

 右手を上げておはよと返した。

 台所ではアマランスが朝食の準備をしている。

 「シュリ」ソーアは小声で呼んだ。


 「昨夜の事言うぞ」


 シュリは首を縦に振った。


 「さあできたで」


 アマランスは台所からパンとコーヒーを持ってくるとテーブルに並べた。


 「あのアマランス」

 「アマでええよ。なんやシュリちゃん」


 シュリはもじもじしながらたずねた。


 「あの、ジュースってある?」

 「えっあるけどあんなもん飲むんやなぁ」


 そう言うと台所に戻っていった。


 「あんなものってなんだろう」

 「なんだろうね」


 ソーアも首を傾げる。

 すぐにアマランスは戻ってきた。


 「ほい」

 「「えっ……」」


 二人同時に言葉を失った。

 そこには、虫を潰したかのような緑色の液体がコップに入っていた。ついでに何か浮いていた。


 「あっ……やっぱりコーヒーでいいかも」

 「そうだよねこんな苦いの飲まないと思った」


 アマランスはハハと笑ったあとジュースをぐびっと一気飲みした。

 

 「「え……ええ」」


 二人また同時に言葉を失った。


 「ところでアマさん。昨日の話なんですけど……。思ったことが二つあって、一つ目は銀色の生物。それ僕たちがいた世界の物じゃないかと思うんですよ」

 「ソーア君が前に言っとった異世界転移ってやつをする前の世界って言うこと?」

 「そうです。それで銀色の生物ってロボットだと思うんですよ」

 「ロボットってなんや?」

 

 アマランスは首をかしげた。


 「ロボットっていうのは、機械と呼ばれるものを組み合わせて作られ、他人に操られている物です」

 「そしてそこに感情はない」


 コーヒーの味に顔をしかめながらシュリが横から口を挟んで付け足した。

 

 「……じゃあ操り人形ってことか?」


 ソーアはうなずく。


 「まあそんなところです。僕たちがいた世界の物が空から降ってきた。……つまりここは異世界ではなく《地下》ということだと思います」


 シュリはちびちび飲んでいたコーヒーを吹き出した。


 「……えっ! 昨日そんなこと言ってなかったじゃん」

 「うん。だって今思いついた」


 ソーアは平然と言う。


 「……あっ! それは一理あるかもしれへん」

 「どうしてそう思うんですか?」


 ソーアはすかさず聞き返す。


 「昔の本、歴史書って言うんかなぁ。あの本に『この世界は昔大地震があった時に地下に沈んだ』って書いてあったから、この世界の上にもう一個世界がある可能性は高い」

 「それだ! その本ってどこにありますか?」

 「うん〜……せやなぁ図書館とかにあるんちゃう」

 「ありがとうございます。戻りますけどそ。二つ目は昔からロボット工学の第一線で仕事をしていたのが……」


 ソーアは下を向き。息を整える。


 「僕たちの父親です」

 


 

 

 

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