#011 訓練準備
セルビアの体に、おおいかぶさるようにアマランスは弟の死体に抱きついたまま涙を流しながら眠ってしまっていた。
腐食化が始まっていたのか、匂いが漂い始めている。
かなり遠くまで休憩無しで飛んできたセルビアは西の街の入口に降りたった。
†
「その後、私のおじいちゃんに修行してもらい。現在に至るということや」
ソーアとシュリは静かに話が終わるのを黙って聞いていた。
というか、重すぎて話を切り出せなかった。
シュリにの下には水溜りができるほど号泣していた。
いや、泣きすぎだろ。
「……ん? もしかして、おじいちゃんってあのバッチをつけた人?」
ふと思ったことを呟いた。
「えっ! 当たりソーアくんめっちゃ勘ええやん。そうやで」
ソーアの呟きに「わお」とわざとらしく驚いた。
アマランスは時計を見ると「おそっ」と呟いて立ち上がった。
「さあさあ、もう寝る時間やで。二階に姉ちゃんの部屋があるからそこ使って」
「えっこいつと同じ部屋?」
シュリはソーアに指をさして、あからさまに嫌そうな顔をする。
「弟を『こいつ』呼ばわりすんな」
軽く手刀でしばいてやろうと振りかざした瞬間――
シュリは前を向いたままソーアの手刀を素早く掴んだ。
流石にこれには自分も目を見張った。
というか怖かった……
「そこしかないねん。お願い」
アマランスは胸の前でお願いポーズをした。
「まあいいけど」
「いいのかよ」
さっきと同じ状況がリピートされた。
「さ、さあ上に行こう」
怖いが一緒に寝るしかない
階段を登ろうと一段目に足をかけたその時あっそうだと後ろからアマランスが振り返った。
「明日は訓練やからよろしく!」




