ほらね、やさしさがいっぱい
寒くなってきたね
いつもの遅刻の言い訳よりも先に
ぼくたちは共通の話題で
盛り上がる
街中にあるイルミネーションの灯りが
唯一、ぼくたちの味方でいて
今夜ばかりは
風も星も
路上のアスファルトも
すべて寒さを演出している様子
すれ違う恋人たちは
何を思う
すれ違った恋人の笑顔のあいだに
妖精たちがいるように
いくつかの白い息は
やがて空高く、のぼっていく
ほらね、真っ白な息の先頭には
妖精たちが飛び交う
誰か気づけばいいのに
いつか、君に誇れるような男性になること
それを今
ぼくに見える妖精たちに
約束してみようと