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カジノの始まり

異世界行かないうちは適当なタイトル付けてるんであんまり気にせず読んでください

じめじめとした空気も晴れ夏が始まろうとしている今日この頃。街は夏に向けたセールが始まり一層賑わいを見せていた。


この調子で俺の人生も穏やかに過ぎ去って欲しいものだ。


なんて考えるのはきっと夏が近づいてるせいだろう。


なんせ普段ならこんな呑気な考えは許されないんだから…。

 

俺の名前は四ノ宮栄斗«しのみやえいと»現在23歳ばりばりの社会人だ。


子供の頃はいわゆる特に何もしなくても勉強ができるタイプで小中高とそこそこの成績をキープしていた。

仲の良かった友達に誘われて運動部へ、そのまま推薦で運が良く一流大学へと進めた。

大学では活動なんざ禄にやらないようなおあそびサークルに加入しバイトと遊びの日々を過ごしていた。

彼女も何回かは出来たが最後の1人を除いて長続きはしなかった。なんとなく付き合っている関係が嫌だったのだろう。どの子も最終的にはずるずると消えるように別れていった。


転機が訪れたのは大学4年の夏だった。

卒業した先輩に誘われて始めてカジノ、言わばギャンブルに行った時だった。右も左もよく分からなくて結局5000円くらい負けたような気がする。

その時はホントに何が何だか分からなかったから悔しかったとかそんな感じの感情は湧かなかった。

ただ、先輩は慣れているようでどんどん持ち金を増やしているのを見かけた。


これ以上の出費はダメだと思い一旦トイレに行こうと先輩に声をかけると先輩は場所を教えてくれた。先輩はだいぶ興奮しているようで賭け金もどんどんエスカレートしていたのが記憶にある。


トイレに行って帰ってきた時には先輩はいなくなっていた。近くにいた人に聞いてみたがいつの間にかいなくなっていたという。流石に先輩がいないと帰れないので先輩を探すことにした。

取り敢えずフロア一帯を歩き回ってみたがそれらしき姿は見当たらなかった。その時だった、誰かが黒い壁の裏に入っていったように見えた。

不思議に思って近づいてみるが何の変哲もない壁があるだけだった。

気のせいかと思って引き返そうとした時不意に何かに足を引っ張られたような気がした。そしてそのまますっ転んだ。驚きのあまり目を瞑ってしまったことに気づいた俺は目を開いた時に驚いた。ただの壁だと思っていたその先にはもう一つフロアが広がっていたのだ。少し進むと先ほどのフロアとは違った空気を感じた。まるでみんなが命懸けそう、まるで全身全霊を込めて賭け事をしているように見えたのだ。


進んだところにはトランプを使った賭け事の卓があった。そこには40代後半のおじさんと青いスーツを着込んだおじさんが座っていた。両者真剣な顔だが、気持ちスーツを着ているおじさんの方に笑みが宿っている気がした。

いや、違うこの2人は恐らく賭け合っているのだそして今この40代後半のおじさんは負けている、そんな感じの雰囲気だった。


「賭け金は?」


とディーラーらしき男の人の声が響く

すると40代の男は意を決したかのように叫んだ


「有り金全部!オール!」


その言葉に対して青いスーツのおじさんは笑を深め


「私も、オール」


と答えた。

トランプのルールはいたって簡単。

次に出てくるトランプの柄と数字を当てるゲームだ。両者外れた場合はより近い方が勝ちとなる、そんなゲームだ。


「それではお互いに解答を」


ディーラーの男が呼びかけた。


「エースの8だ!」


40代後半の男はそう叫んだ


「ハートの2だ」


青いスーツの男はそう言った。


2人の言葉を聞いてディーラーはカードを捲ろうとする。

その瞬間、俺の頭にふっと感が過ぎった。

特に何も考えてはいなかったはずなのに過ぎったこの感覚、気づけば俺は口に出していた。


「スペードの11…」


その瞬間ディーラーは目を見開いてこちらを向いた。だがそれは一瞬次の瞬間には何事も無かったかのごとくカードを捲っていた。


そして現れた数字は『スペードの11』俺の当たりだ。


だが当然俺は賭けには参加していないので特に何も起こらない。

一方2人の男達の間では40代後半の男が勝ったからか安堵のため息をついており、逆に青いスーツの男は残念そうに肩をすくめている。

2人はまた賭け事に戻るようで次のゲームを決め合っていた。

俺は先輩を探そうと振り向いたその時、横から声を掛けられた。


「今、〝当てましたね〟」


驚き振り向くとそこには先程のディーラーが立っていた。

そして


「おめでとうございます。貴方は確かに今正解なさいました。」


と述べた。

だが俺的にも今のは単なる感と偶然だったのでそれを素直に告げた。

だがそう告げると更にディーラーの男は喜び


「なんと、まさか感と偶然で当てたの言うのですか!それは素晴らしい。ではこれをどうぞ、残念ながら賞金は差し上げられませんがこれをお持ちください。将来困ったらこれをここで出してください。きっと役にたちます。」


そう言い残してディーラーの男は去っていった。

呆然としながら佇んでいると先輩が向こうからやって来た。


「いやー…負けちまった。やっぱ深追いは良くねぇなぁ…。」


そう言いながら俺の方を組み帰るぞと合図するとそのまま進んでいった。


俺は不思議に思いながらもその名刺を財布にしまいカジノを後にした。




ありがとうございます

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