魔法ってヤバイ!
「熱いっ!!!」
ナナは迫り来る火球をかろうじて避けるが、地面に当たった火球の熱量に焦る
「いやいやいや、常談キツいよ!なにこれ?死んじゃうよ、マジで!!遠くで見てたら綺麗だったのに!!ちょっとくーちゃん助けてっ!!」
マイクのスイッチを入れ、叫ぶ
「・・・・・・・・・」
「何で誰も出ないのさっ!!」
『フレイム!』
「ひぃっ!?」
ごぉぅっと音とともに本日何度目かの修羅場が迫る。
ナナは必死に逃げる。
※ ※ ※ ※ ※
ミネルヴァもまた戸惑っていた。
「斬っていいのかしら?」
下級火系魔法『フレイム』を目眩ましに使い、その隙に斬るのを戦闘スタイルにしているミネルヴァにとって突如現れた女性徒の反応は予想外だった。
「クロード先生の雰囲気から只者じゃないかもと思って、ちょっと本気出したのに...期待外れね...あっ、またギリギリ避けた...もう一発、『フレイム』。初めて魔法を見るわけでもないのにあんなに焦っちゃって。」
「にぃぎゃあ~~、や~め~て~!!!」
またかろうじて避けたようだが、服の一部が燃えたのを必死に消火している。
逃げ回る女性徒の情けない声を聞き、決断する。
「さすがに可哀想ね。あの様子だと魔法耐性も持っていないようですし。次で終わらせて差し上げましょう。『フレイム』!」
呪文を唱えると同時にその陰に隠れて間合いを詰める。そしてスキル『範囲索敵』を使う。
「左右どちらに避けても、逃がしませんわ」
『範囲索敵』によってナナを捉えたミネルヴァは相手の動向を伺う。
「右か...左か...あら?動か...ない?え?直接魔法を受ける事になるわよ?まさか、気絶でもしてしまったの!?」
ミネルヴァが焦って魔法を打ち消そうとした瞬間
「ずがあぁぁあん!!!」
凄まじい音が広場に鳴り響く
土砂が吹き飛び、フレイムを掻き消す。辺りには砂埃が立ち込める
「一体何が...え?どこ!?」
ミネルヴァはさっきまで女性徒がいた所にその存在がないことに気づいた。
砂埃の中、何かが横を抜け...
「仕返しだよっ!!えいっ!」
かと思うと、横から声がした。