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第15話 消える日常

ゴォォォー…


パチパチッ…


燃やした部屋はもう業火によって元の形が分からない程燃やされていた。


呪眼になれば出来るはずの新技


斬刃血…。


全てを斬り裂く程鋭い火の剣を口から噴き、それが振り下ろされた瞬間拡大し、燃え広がる。


今は一度使えば体が動かなくなってしまう。


怯んでしまう。


「誰を倒そうとしてるんだ、俺は…。」


ある程度までは、俺のただの意地かもしれない。


大切な人達を守っている自分。


いつの間にかそれは俺の救いになっていたのかもしれない。






数日が経ち、俺はまた真中に呼び出された。


「やぁ、結果、でたよ。でも、かなり危険なようだ。」


予想通りの話題。


よし…。


「新しい眼はできた。青眼を宿す君はきっと…いや必ず適合するだろう。」


当たり前だ。


俺と……鳳の眼があったからこそできた眼だ。


「だが、我々もこの眼をタダで君に譲ることはできない。」


真中は強く言い放った。


「君は家族や友人を守る為にこの契約を結んだんだろう?君がいなくなっては元も子もないはずだ。」


煩い。


「………。最近、君の学校がある大阪付近の治安がどうやら良くないみたいだ。とりあえず君が大阪のトップに立ち、治安を正してくれ。その交換条件として、眼をプレゼントしよう。」


「不良…達だけではないようですね。ヤクザもですか。」


不良ならば容易い。


所詮はガキだ。


だが、やはり本職となればレベルは格段に上がる。


そして…。


「今回のこの依頼には、能力の使用は禁止だ。それと、依頼中は家族、友人に国家機関の話をするのも禁止だ。あくまで君の一存で大阪統一をしている事にしてくれ。」


おかしいだろう。


そんなことをする必要を感じない。


だが、俺はまだ視野が狭かった。


リスクを背負うのは俺だけだと思っていた。


大切なものを失う。


それを簡単に考えていた俺もまた、まだガキだったんだ。


「必要性を感じません。理由を教えてください。」


「こんな裏事業に国家が関係しているなど、世間知られていいわけが無い。」


成る程。


身の保身+何かの計画


てところか。


「分かりました。鳳には話してもいいですね?」


「あぁ、彼は補佐だからね。」


「分かりました。」


⚫ ️⚫️ ⚫️ ⚫️


翌日からもう開始した。


何をすればいいのか、全く見当もつかなかったが、それなりの場所に行けば喧嘩を売ってくることは確実だろう。


「行くか。」


依頼の全容を鳳に伝え、鳳は付いてくることを拒否しなかったので、連れて行く事にした。


「2人でいいのか?」


「巻き込む訳にはいかないだろう。それに、お前以外に話す事は許されてない。」


早速、大阪府内でもガラの悪さで有名な場所へ向かった。


「一果ちゃん、怒ってたな。」


学校をサボっていくわけだ。


このことを知らない一果はきっとサボって2人で遊びに行くとでも思っているだろう。


見つかった時は、物凄い剣幕で止められた。


「知るか。」


少し、焦げ臭い匂いがした気がした。


能力は使えない。


黒間も鳳も関係無い。


ここにいる2人は、ただの不良2人なのだ。


鳳はまず何をしようか、という顔をしていた。


向かいから、数名の不良が歩いてくる。


髪は染め、服もチャラチャラしており、ピアスにタバコ。


ここにきて正解だったろう。


丁度、こいつらが真横を通り過ぎる時に、俺は聞こえるように舌打ちをした。


「チッ!」


思っていたより大きな音が出た。


そのお陰で、俺の計画通りに…いや、それ以上に彼らは動いてくれた。


「おい兄ちゃん…。なんか聞こえたんだけど…。」


「偉そうにタメきいてんじゃねえぞ…。」


宣戦布告だ。


「おいおい、謝っとくなら今のうちだぜ、クソガキぃ。」


「ふざけろ、馬鹿が。」


もう、本当に、消え失せた。


確実に、日常は無くなっただろう。


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