悪神と会話、するぜっ!
俺がこの異世界に転生してから数年後。
体は立派になり、他の種の友達もできて、ガールフレンドまで出来た。
……人にはなれていない。
そんなとき、夢であいつを見た。
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――やあやあ。おひさっ!
転生した時に話した悪神とやらが、夢に出てきた。
その姿は一言で言い表すならばショタ。
そいつが変な空間に座っていた。
俺は変わらず龍の姿だったが、なぜか動けない。
あ、口は動かせる。
「てんめぇ、騙したなっ!」
――人聞きが悪いな。騙してなんかいないよ?
「俺が聞いたのは、『龍に転生してからでも人間になれる』ってことだ! 未だに魔法で変身できねぇし、魔法に長けた龍の種にゃ才能がないって言われたぞ!」
――誰が『魔法で変身できる』なんて言ったのかな? 君の思い込みじゃない?
「んなっ、アホなこと……」
――つまり魔法以外の手段で変身出来ると気付かなかった君が悪いんじゃあないのかな?
「いや、まあ、考えてみりゃそうだけど、さ? 俺だって早く人間になりたいし、さぁ」
――随分と幸せそうにしてたじゃないか。ライカちゃんだっけ?
「精神は人なんだよ。本当に龍が好きになれるならそうしてるさ」
――つまり好きじゃあないということか。
「いやっ、それはまた別の話で……」
――じゃあ好きなんだね。
「そこまでアブノーマルではない!」
――そんなどっちつかずで、人間になったときに龍と戦えるのかな?
「えっ?」
――ああ、言いすぎた。ごめんごめん。ボクなんかに君は会いたくないよね。さっさと話を済まそうか。
「まっ、待てっ! まだ話は」
――ヒントは『緑龍』の種に伝わる秘伝の技。大サービスだよ?
「なんなんだよぉー! 俺の話を聞いてくれ!」
――じゃあね~。
おい、ちょっ、あっ、消えるな馬鹿っ…………――――
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次の日。
俺は朝一番に親父を叩き起こした。
「おいっ! 起きろ親父!」
「……なんだこんな朝早くから」
不機嫌そうに俺を睨み付ける親父は怖かったが、今の俺にはどうでもよかった。
「緑龍の種に伝わる秘伝の技を教えてくれ!」
「俺が知るわけないだろうがっ!」
叩かれた。いてえ。