魔法の練習、するぜっ!
どっひゃあ!
龍ってのぁーな。大きい。
あそこじゃねえ、図体だ。
デカいやつはトーキョードームくらいのデカさだ。
俺の種族は『赤龍』! 一番ちいせえ龍だそうだ!
龍になってからしばらく経つが、未だに子供なんだ!
寿命千年あるらしいぜ! イイネッ!
んで、そのデカさは……なんと普通の一軒家くらいだ。
小さい。
圧倒的に小さい。
龍の喧嘩祭りでも『赤龍』は不利だそうだ。
ま、俺くらいになると最弱からのスタートじゃないと燃えないけどな!
目指せ世界一ィ!
とか考えてたら怒られたぁ!
「話を聞いているのか?」
「聞いてるよ!」
これが俺の親父さん。
普段から厳しくて、ろくに遊べやしねえ。
まだ俺は子供だってのに、困ったもんだぜ。
ちなみに母親はどっか行ったそうだ。
逃げられたんだな。確信したぜ!
「ならば魔法を使ってみろ!」
「うおおおおおおおおおおおおおおお! へん……しん!」
太鼓の音が周囲に響きながら俺の体が光り輝く!
これはイケる!
「なっ、まさかそんな!?」
親父も驚いてやがる!
魔法に大切なのはイメージ!
転生者である俺がイメージしやすかったのはこれ!
仮面○イダー!
「どうだ! 見たか親父ぃ!」
「いや…………」
どこからか取り出した姿見を俺の前に置いてくれる。
そこに映し出されていたのは……。
「なんだこりゃあ」
どこからどう見ても、ゲームの中で見た『龍人』そっくりだった。
人の形をしながらも翼と尻尾は残っている。
「失敗だな」
「くっそぉ!」
俺は今日も失敗した。
早く成功して人里に降りたいなぁ……はぁ。