プロローグ(巻き舌)
ヒャッハー!
おうおう、みなさんおそろいで!
俺ぁ『七渡』っつう転生者なんですわ!
名前? いやこの俺『七渡龍』のキラキラネームを世間様に公表するのぁ気が引けるな!
まあなんもないところだがゆっくりしていってくれ。
茶ぁくらいなら出すよ。
え? なぜゆえにこんな人里離れた山の奥になんで住んでるのかって?
……俺、モノホンの龍に転生したんだよ。
『人を自由に操れる』なんてカッケー能力授かっておきながら、人の天敵である龍に転生しちまったんだぜ?
転生直後とか悲惨でさあ、タマゴから産まれた時なんざぁ悲鳴上げたからな!
今は大丈夫だ! 開き直った! この龍であることにも利点はあるんだ!
口から火ぃ吹いたり、爪がめっちゃキラキラしてたりな!
……ま、まあ龍にとっちゃあ普通なんだがな。
そんでもって今は人も龍も使える『魔法』っつうスペシャル異世界系な能力を練習してんのよ!
こいつぁメチャやべぇ! 半端ねえ!
まだ子供だったときに龍同士の喧嘩を見たんだが、びっくらこいて口ポカーンだったからな!
マジモンの魔法戦、爪で体を抉る戦い。
あれが死闘ってんだろうな。
実は一匹が俺を狙ってきてた龍で、もう一匹は俺の親だったらしい。
後から聞いた話だけどな。
おっと脱線してしまって申し訳ない、魔法の話だ。
『魔法』ってのは便利なもんで、人間に変身できたりするらしい。
つまり俺が変身すれば……後はわかるな?
人里に降りて、人間を操り放題ってわけだぁ!
さあ! 今日も魔法の練習に励むぜ!
指導は俺の親であり、ここら一帯では最強の龍!
階級は『龍将』!
グレートドラゴンさんだぁ!