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「月思う心」といふもの

望月の夜。


気味が悪いほどの真っ黄色な月。


恐ろしいほど何の音もしない。


ただ空間が「無」を主張している。


そんな中。


当時人間から最も嫌われていた奴らが、


動きだす………………。


………………………………………………………………………


月盛と義臣はその夜、酒をたしなんでいた。


うっすらと月には雲がかかる。


厚くもなく、薄くもない。


雲は流れて月の明るさは刻々と変わってゆく。


同じ情景は二度と繰り返さない。


二人はこのような月を「雅」と感じる。


二人はツマミの鮎を味わいながら、


昼の間の忙しい日常を忘れ、


感情に浸りゆく…………。


「なぁ、月盛。」


「なんだ?」


「…………いいや、何でもない。」


「どうした。気になるぞ。」


「『今夜の月は雅よのぅ…………。』と言おうとしたのだが、わざわざ言うのが馬鹿臭くてな…………。」


「……そういうことか。」


「この情景にわざわざ私の声で月盛のせっかくの感情に浸っている心を邪魔したくないと思うてな…………。」


「……いや、そこまで気を使わなくてもいい。むしろ、義臣の声がこの情景に入ってきたときはどんな心行きになるのかな…………?」


「月盛よ、そんな事まで考えれるか…………。」


「なぁ、義臣、」


「なんじゃ、」



「「今夜の月は、誠雅よのう…………。」」



…………………………………………………………………………


どれくらい経っただろうか…………。


月は先ほどよりかなり西に傾いている。


雲がかかりゆく様はさほど変わらないようだが、


月盛と義臣の二人は飽きる事なく眺めている。


我々現代人に出来るだろうか……月を一晩中見て、その風景にいちいち感想を持つことなど、


絶対に途中で飽きる。


しかも歌を詠む事が出来るのだ、昔の人は。


我々現代人に五・七・五・七・七の歌が造れるだろうか?とっさに。


しかも昔の人はその歌で「会話」をするのである。


ある人が歌を詠むと、そのお返しに別の人がまた歌を詠みあげるのだ。とっさに。


我々現代人に出来るだろうか。


…………………………………………………………………………


「のう、月盛。」


「なんだ?」


「昨日の話じゃ。」


「ん。」


「昨日わしは妖怪になった夢を見たのだ。」


「…………お、おおう………………そそそそうか…

………(こいついきなり何口走ってんだよ!)。」


「んでな、わしは妖怪になって他の仲間たちと晩酌をしていたのじゃ。」


「ほうほう、」


「やけにあさましい姿の奴らでな、目が一つだけの者、狐の擬人化した様な者、琵琶に手足が生えた様な者などいてな、その中で晩酌をしたのじゃ。」


「ほうほう(ギジンカてなんや……ギジンカて…………、」


「ずいぶんと真っ黄色な月でな、気味が悪かったわい。」


「なるほど。」


「そんな中、一人の妖怪が月を見上げながら『今夜の月は、誠雅よのう…………。』といいおったのじゃ。」


「ほお、」


「すると皆それにあわせて『そうじゃの…………』『そうよの…………。』『違いのうて…………。』と感情的に言うのじゃ。」


「そうなのか?」


「そうじゃ。」


「妖怪がか…………?」


「言うたのじゃ。」


「………………フフッ月盛よ。」


「なんじゃ?」


「誰でも見事な月を見て「綺麗だ」「雅だ」と思うのは当たり前のことじゃ。」


「妖怪でもか?」


「当たり前だ、月を感じる『心』さえあれば誰だって月を楽しめるのだ。」


「…………そうじゃな。」


「なぁ、義臣、」


「なんじゃ?」


「「「「「今夜の月は、誠に雅じゃな!」」」」」




「?月盛とわし意外の声が聞こえたような…………?」


「気のせいだ、義臣。」

お疲れ様でした。


ひっっっっっさびさの投稿になります。


新年明けました。


皆さんは良い初夢は見れましたでしょうか?


私は何故かお漏らしした夢を見てしまいましたw


街中を歩いていると急に尿意がわいてきて、何処を探してもトイレがないもんですから、


そのまま、路上で解き放ってしまいました。


なんというか、この上なく解放的な夢でした。


それはさておき…………


今回はお布団にはいってウツラウツラと書いたもんですから(携帯媒体って便利!)、少々文が不快かもしれません。


申し訳ありません。


次はちゃんとした場所で執筆しますので。



それでは、次回。

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