表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
まもる者~promise~  作者: ユガミウ(旧名 立花 優)
高校生活は波乱の予感?
8/28

部活動勧誘週間~最終日、これが図書部~

お気に入り登録ありがとうございます!すごく嬉しいです。それから、評価ポイントも付けていただきほんと、励みになります。

おかげで、学園日間ランキングTOP10に入りました。

これで、よりたくさんの人に読んで貰えると嬉しいです。

長くなりましたが本編どうぞ。


「みどりくん、朝だよ。早く起きてね。」


いつもの朝がやってきた…はずだった。


「んー…。」


(だるい…このだるさは……。さては、昨夜は満月だったな…。)


俺は、この家に来てからというもの、満月の夜の翌朝はとても身体がだるく、気持ち魔力も枯渇気味で、まるで【象悪(Evil Command )】や【黒渦(Collapsar)】を使ったあとのようだ。

しかし、いつまでもこうしているわけにもいかず。俺は自分に鞭を打つと、立ち上がり着替え始めた。



今日から、授業も開始される。

Eクラスとはいえ、二年からは上のクラスへ…!という者がいるので、授業は、とても意識が高かった。一人…俺を除いては。

あまりの、だるさから、全ての授業を睡眠学習にあてた俺は、放課後にはいくらかマシだったが。勉学は前途多難だ。


俺は図書館に向かうために、帰り支度をしていると、見覚えのない箱があり、手を伸ばす。



その箱は爆発した。いたずらの域を超えた爆発音が鳴り響く。

緑の立っていたところは、煙に覆われ様子が伺えない。

しかし、煙が晴れると緑は無事だった。

手には、爆発しかけている(・・・・・・・・)箱があった。



「あぶね~。死ぬかと思った。いたずらにしては、度かすぎてないか?」


鋭い目を教室の入口に向ける。


「へぇ、やるな。お前が海原緑か。」


そこには、同じ制服を着た男がいた。

眉の横には切り傷がある。


「お前は、誰だ?」


「…さぁな!知りたかったら倒してみろよ!!」


男は、俺に向かって突進してきた。

一歩引き。右手、左手、右脚、左脚と次々に迫り来る攻撃を躱す。

男の体術はなかなかのもので、机がたくさんある教室だが、無駄な動きが一つもない。

しかし、俺はこんなところで、負けるわけにはいかない。


迫り来る右手を掴み、引き寄せると肘打ちを入れる。

しかし、男も引き寄せられることに驚きながらも、右脚を軸に左脚で蹴りをいれてきた。

お互い、飛ばされるがすぐに体勢を整え、相手を見る。


男が先に動き出す。素早く接近してくると、俺の攻撃をかわして、腹に飛び込むと魔法を発動した。


(しまっ…)


爆発音とともに、辺りの机は吹き飛び、床は焼け、教室を壊すまではないものの、強力なものだった。

俺は、少し本気になった。



「こんなもんか、海原緑!まだ生きてるんだろ?続きをやろう「【象悪】」ぜ⁉」


男は、自分の身体の異変に気づく。


「な、なにしやがった!!」


「ちょこまかと、ウザイからな。少し、空間をいじった。この空間は、俺の支配下にある。何なら、口を封じてやろうか?」


煙の中から現れた姿に男は目を見張る。


身体から、黒い魔力が身体を纏うようにして蠢いている。


俺は、右手で空間を裂くと手を伸ばし、柄握ると引き抜く。

右手には、剣が握られていた。


剣脊が黒く、禍々しいこの剣は《魔剣 ダーインスレイヴ》といい、【時空蔵】に初めて入れた武器だ。そして、この禍々しさこそが、【時空蔵】本来の仕様だ。

本当の【時空蔵】の使い道は、【時空蔵】空間内に干渉し、物を強化する(・・・・)。これこそが、俺の創り上げた闇魔法だ。


俺は、強化された《ダーインスレイヴ》を片手に男に近づく。

しかし、男は笑っていた。


「それが、強化魔法【時空蔵】。そして、補助魔法【象悪】。攻撃魔法…いや…召喚(・・)魔法の【黒渦】が見られなかったのは残念だったな…。でも、まあこれだけ見ればとりあえず満足だな。じゃあ、またな(・・・)海原緑。」



男の後ろで爆発が起こる。

爆風が教室全体を襲う。目を開けるとその光景を疑う。

教室は元の状態に戻っていて、先刻そこで戦闘があったとは誰も思わないだろう。

もちろん、そこには誰もいなかった。


【象悪】を破るほどの魔法…しかし、最後の爆発に、魔力は感じられなかった(・・・・・・・・)



廊下から声が聞こえてくる。あれ程の爆発音が鳴ったのだから、当然だろう。


(やべっ、騒ぎすぎたか…。)


俺は、窓から飛び降りると、校舎から離れた。




すごい。あの男を殺れるなんて、ワクワクするわ。




私、蛇野綾は僅かな魔力、魔法の発動を逃さない。

この、感覚スキルが卓越しているからこそ、今回この任務に就くことになった。

そして、何より()の望むことなら、絶対に成功しなければいけない。



今日も、生徒会長としての、表の生活を眈々と行っていた。

しかし、私の感覚に僅かな、覚えのない闇魔法の発動を感じた。

間違いなく、彼…あの男のものだろう。


私はメンバーに、席を外すことを告げると、急いで発動源に向かい、隠れ見ると、あの男は黒い魔力を纏っていた。

その姿は普段の姿とは違い、禍々しかった。

強い光のこもった目に、私は早く壊したいという欲求に駆られる。


そして、再び爆発音が鳴る。さっきよりも大きな爆発は、教室を元の姿へと戻していた。

生徒達が集まってきたので、私は生徒会長に戻ると、事態の収拾に務めた。



私は、指示を待っている。





(とんだ災難だ。)


謎の男に襲われ、力を知られていて、見られた。

追いかけようとしたが、気配を完全に遮断していて追うことができない。

あの体術と機転の速さは、実力者であることを物語っていた。


しかし、今はあの男の事は一先ず置いて、図書館に急がなければならない。

少し遅れ気味なので、俺は走って向かった。




部室の扉を開けて俺は、唖然とした。


「よう!海原緑。遅かったな。」


ソファーには爆発男(あのおとこ)が座っていた。


「ん?なんだお前ら知り合いか?なら、こいつの紹介はいらないな…えーっと…」


「いやいや、待ってください⁉その男なんなんですか…いや、何者何ですか?」


俺は、状況がよくわからない。


どうしてあいつがここにいる?


どうして俺を襲ったんだ?


なぜ、俺の魔法を知っている?


考えれば考えるほどややこしくなってきた。



妹尾先輩は、躊躇いながら

「ん?知り合いなんじゃないのか?あー…なんだ…えーこいつは妹尾(すぐる)…俺の弟だ。そして、図書部員だ。」



……弟?


「そういうことだ。よろしくな、海原緑!お前は思ったより強かったぜ。」


「お前、まさかさっきの爆発はお前の仕業か!」


「悪い悪い、いつものことだろ兄ちゃん。許してくれイタッ!!」


「ったく、お前は…悪かったな海原。突然襲われたんだろ?こいつ、すぐ戦って白黒つけようとするからな…俺も困ってるんだ。」


妹尾先輩の弟ということで、敵でない可能性も出てきたが、安心することはできない。



「はい、とりあえずそこまで!ほら、今日はもう一人いるんだから、顔合わせ済ませるよ。緑くん。こちらは、神宮楓(じんぐうかえで)さん。神宮さん、こっちは海原緑くん。みんな仲良くしようね。」


神宮さんは、小柄な人で髪を赤のリボンで結っていて、とても可愛い人だ。

この人が、体術に優れているようには見えない。


「よろしく神宮さん。」


「………(コクコク)」


ほんとに、可愛らしい人だった。



「あとは、先生だけだね。もうすぐ、来るはずなんだけど…。」


「顧問なんているんですか?」

俺は、気になったことを聞いてみた。


「いるよ。でも、正確には顧問じゃないな。むしろ、上司と呼ぶべきかもね。全ての責任は先生が持つし、何より指示を出すからね。僕たちはそれに従って警備していくんだよ。」


そんな話をしていると、扉が開く。



「わりー遅れた。てか、遠いよな…ここ。だるいから、これ最後にしてくれよな。」


そこにいたのは、俺の担任、無灯大輔だった。



「む、無灯先生!?」


俺は、思わず声を上げてしまった。


「ん?…あー海原か、お前図書部だったのか。まあー頑張れや。それから、その他メンバーの諸君、一年E組担任、無灯大輔、三十一歳独身だ。以上。じゃあ、帰るわ。てきとーに警備よろしく。なんかあったら連絡ちょーだい。」


そういって、出て行った。



「…まっ、そういうことだから、早速始めますか。緑くんと、卓くんは地下へ行って禁書庫の扉の前で、警備よろしく!」


…マジっすか。

こうして、図書部の活動が始まった。






(何だこの大きさ…。)


俺たちは今、禁書庫の扉の前についたのだが…その扉は、異常なほど大きかった。

思わず見上げるほどで、さらに、ロックも厳重にされていた。


「すげーな…。どうやってあけるんだよこれ。」

俺も同意だ。



「ところで、妹尾。」


「…卓でいい。…何だ?」


「…どうして、俺の力を知っていたんだ?」


「…………それは、言えない。」


「どうして!!」


俺は、卓の襟を掴む。


「どうしてもだ…。でも、俺は敵じゃ無い!……信じてくれ…。」


「信じろって…お前、さっき俺を殺す気だったじゃないか!」


「それについては謝る…。すまん。でも、どうしても知りたかったんだ…お前の実力を。」


その目は真剣で、俺と同じ決意した目だった。


「ちっ…。わかった…。お前を信じよう。でも!俺の友達に手を出した時は…殺すからな…必ず。」


卓は、その本気の殺意によろけると、座り込む。

俺は、手を伸ばして引き上げてやると、笑って他愛も無い話を始めた。


俺は、卓を少しは信じてもいいのかもしれない。

そう思えた。




それから、数日特にこれといった出来事もなく、過ぎて行った。

図書部では、卓との関係も良好だが。神宮さんとかそうもいかない。

神宮さんは口数が少なかった。


感情をあまり表に出さないようで、いつも本に目を向けていて、話に入ってこようとしない。

一緒に警備したときは、ただでさえ静かな地下なのだが、完全に無音だった。

時々、神宮さんを見るといつも一点を見ていて、コミュニケーションをとるのには時間がかかりそうだ…。


そんなこんなで、勧誘週間最終日。

俺は、聡からこんな話を聞いた。


「知ってるか、緑。先輩が言っていたんだが。今日が一番熱いらしいぜ。」


「暑い?何だよそれ、天気予報で、今日はポカポカ陽気って言ってたぞ。」

俺は、お天気お姉さんを信じている。


「暑いって、そうじゃねぇよ。“熱い”だよ!今日、勧誘週間最終日だろ?部員の少なかった部活動とかが、片っ端から誘っていくんだってよ。それが、時々過剰にやり過ぎる奴らがいるんだとよ…。だから、緑も気をつけろよ。」


「へいへい。そんな奴がきたら蹴り飛ばすけどな。」


「ハッ、そうだな。」


この時は、笑っていたがまさかあんなことになるとは思ってなかった。




放課後、担任の昼寝のせいでホームルームが遅くなった俺は教室を出る。

いつもより、賑やかな廊下を進んでいく、途中声をかけられたが、部活に入っていると告げると、残念そうに去っていく。

そうして、図書館に向かっていると、中庭で見覚えのある人物がいた。

周りには、五人の先輩?たちがいて、どうやら勧誘しているようだが、ナンパに見えなくも無い。その中心で相変わらず無表情たが、どこか迷惑そうな…オロオロした様子なのは、神宮さんだ。俺は、仲間を助けることにした。





「ねぇ、君。可愛いね。一年生でしょ?俺らの部活入んない?」


「…………。」


「だっせー、お前シカトされてやんの。」


「うっせーな、この娘は恥ずかしくて言えねーんだよ。」


「自惚れ乙ー。ねえ、君。俺らA組なんだよね。やっぱ、仲良くなるならエリートなA組がいいと思うな。」


そういって、男は神宮さんの肩に手を伸ばすが


「すみません、先輩。この娘、俺と同じ部活なんですよ。もう、部活に入ってるんで結構ですよ。」


俺は、男の手を掴むと、できるだけ丁寧に相手の癇に障らないように言うが、当然、何事も無い訳が無い。


「あん?なんだてめー。ん?お前知ってるぞ。海原家の汚点だろ。ハッハッ、今俺らがその娘と話してるだけなんだよ、邪魔すんじゃねーよクズ。」


何が、話だ…


「すみません、急いでるんで。失礼します。」


俺は、怒りをぐっと抑えると、聞く耳を持たず、神宮さんの手を握り歩き出す。

神宮さんは、驚いたようだが今はこうするしかない。


「てめー…クズのくせに生意気なんだよ!」


そういって、男たちは色とりどり、様々な属性の魔法を発動し狙って来る。


俺は、神宮さんを身体に引き寄せると、空間を裂き【時空蔵】から《魔剣 ダーインスレイヴ》を取り出すと、右手で素早く振る。普段なら片手でこのスピードでは振れないが強化によって軽量化した今の状態では、容易いものだった。

迫り来る、魔法を打ち払う。

この荒業こそ、師匠の剣である。


そして、一通り止むと、次の攻撃が来る前に【象悪】を発動し動きを止める。


「なっ、動けねーぞ。」

「ふざけんなよ!なんで、こんなクズに…」


「黙れ!」


男たちは、殺気が感じられないほどバカではなかった。


「二度と、俺たちの前に現れるな。次、海原家をバカにしたら殺す。」


俺は【象悪】を解くと、神宮さんと歩き出した。




「ごめん神宮さん、みっともないところ見せて。」


「……(ブンブンブン)」


「つい、カッとなって…。怒鳴った時耳痛くなかった?」


「……(ブンブンブン)…かっこ…よかった……ありがとう。」


「えっ?今…」


ボソッと、何か喋った気がする。


神宮さんは、耳まで真っ赤にして俯くと、手を引っ張って行ってしまった。



余談だが、その後手や握ったまま部室に入ったので、妹尾兄弟に冷やかされ、神宮さんは顔から湯気が出るほど真っ赤になり、それを見た俺も思わず赤面してしまった。



感想お待ちしています。

戦闘描写の練習を兼ねて、少しずついれています。おかしな点ありましたら、ご指摘お願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ