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まもる者~promise~  作者: ユガミウ(旧名 立花 優)
高校生活は波乱の予感?
6/28

部活動勧誘期間~忘却事件~

ついに、お気に入りが20を超えました!

ありがとうございます!


これからも、よろしくお願いします。

「まっ、待て。い、一旦落ち着け。」


どうしてこうなったのだろうか。目の前には、海と夏がいるが、どちらも顔こそ笑っているものの、機嫌がいいわけではなく、むしろ不機嫌だった。


どうしてだととぼけてみたが、つまりは、

俺が悪いのだ。




道場での出来事のあった、翌日。俺は学園へ着くとすぐに、聡に謝った。

聡は驚いた様子だったが、すぐにいつもの調子を取り戻すと「気にすんな。」拳を突き出してきたので俺はそれに応えた。

やっぱり、腐れ縁(しんゆう)は最高だ。

そんな男の友情一コマもあり、ホームルームが始まった。



俺たちの担任は、無灯大輔(むとうだいすけ)という三十一歳独身(ソースは自己紹介)で無精髭が特徴だ。


「よーし、ホームルーム始めっぞ~。あーだりぃ…。つか、お前ら部活動に入れよな。今日から勧誘期間だから色々気をつけろよ(・・・・・・・・)ー。以上!自習!」


そう言って、教室から出て行った。

俺たちは授業が始まってすらいないため、自習するはずもなく、部活動の話で盛り上がっていた。



「なあ、緑。お前何かすんの?」


俺は中学時代、稽古に忙しくて部活動はしていなかった。聡はSMR(Speed Magic Rase)部に所属していた。SMRとは、魔法補助式エンジン(魔法を発動するための魔力を燃料の代わりにしたエンジン)を使って行うレースで、とにかくスピードが速いので観戦には向かないのだが本人たちはたいそう気持ちがいいらしくやめられないそうだ。


「ああ、するよ。というかそのためにこの学園に来たといっても過言じゃないな。聡はSMRに入るんだよな?」


「同然だろ。つか、お前は何やんの?」


「俺はーーーー図書部だ。」



この学園には、多くの部活動があり同じ内容によっては中学と高校が一緒になってやっている部活もある。

その中でも、生徒会執行部、治安維持部、図書部の部活動は特例で委員会を兼ねているのだ。

生徒会執行部は生徒会を、治安維持部は風紀委員会を、そして、図書部は図書委員会を。


この学園には、日本で一二を争う大きさの図書館がある。

ここには、一般人閲覧禁止の本も多数あるので、警備が必要なのだ。

とは言え、図書部を含む、この三つの部活は簡単に入れるわけではなく、それぞれ、力を認められなければ入部することは出来ない。

しかし、図書部は本のそばのため、魔法は使用できない。

そのため魔法の技量は関係なく、体術などの魔法以外の力が必要になる。まさに、俺にはピッタリだ。

そして少しでも多くの情報…主に姉を攫っていったやつらのことを掴むためにも、図書部の権利は欲しかった。




放課後、聡はすぐにSMRに行ってしまった。

俺も図書部のある、図書館へ向かおうとするが


「みどりくーん。」


教室の入り口から雨美の声がする。

そこには、菜瑠もいて俺を呼んでいた。


「どうしたんだ、雨美。」


「どうしたんだって…みどりくん忘れたの?」


はて?何か約束してただろうか?


「もー、ひどいなぁー。今朝言ったでしょ?一緒に料理部を見に行こうって。」小さく頬を膨らませて俺を睨む。


「そうだ…そうだったな!悪い悪い。よし、じゃあ行くか!」


雨美と菜瑠は嬉しそうに俺の後を追う。

しかし、俺はそこだけが欠けている(・・・・・)かのように、ハッキリと思い出せていなかった。




調理教室にやって来た俺は、すぐに後悔した。

女、女、女、女。

女子生徒しかいなかった。


(これは、キツすぎる。)


「あら、雨美ちゃん、菜瑠ちゃん。久しぶりね。あら…貴方は…確か…」


「海原緑です。妹がいつもお世話になってます、先輩。」


「やっぱり、雨美ちゃんのお兄ちゃんね。よろしく、緑くん。わたしは|藤堂雪(とうどうゆき。雪先輩、雪ちゃん、雪。好きなように呼んでね♪」そういって、ウィンクする。

一瞬ドキッとしたが、平然を装った。


「せ、先輩。」


菜瑠が、慌てて雪先輩を見ると、雪先輩は楽しそうに笑っていた。


「大丈夫よ、菜瑠ちゃん♪勝手にとったりしないから♪」


「別に、そんなんじゃないです~。」


「じゃあ、お姉さんがらとっていい?」


「絶対ダメです!先輩の意地悪。」

つーんと、怒ったような様子で、そっぽを向く。


「ごめんね、菜瑠ちゃん。冗談だから。」


「先輩はどこまでが、冗談かわからないです。」

ちょっと拗ねたように言うと、俺と目が合い、トマトのように赤くなると。


「み、緑さん。さっきの忘れてくださいっ。冗談っていうか…で、でも嘘じゃないです…ってわたしったら…あわゎゎ。」


突然テンパり出した菜瑠は、先輩に「よしよし。」と背中を摩られていた。



「じゃあ、みどりくん!今からわたしたちケーキ作るから、試食してね!」


そう言って、作り始めたので座って待っていたのだが…


(居辛いし…なにより暇だ…)


すると、携帯が鳴る。見ると夏からだった。


「ちょっとあんた!どこにいるの!もう、とっくに時間過ぎてるんだけど。まさか、忘れたわけじゃないでしょうね?」


俺は咄嗟に「今すぐ行く。」と言って、小さく魔法を発動し夏を見つけるとすぐに向かった。

のちに、あの悲劇に合うことになるとは思いもよらなかった。




俺は、中庭で待っていた夏と合流した。


「ホント、なにやってたのよ!あたしがどれだけ待ったことか…てか、昨日なんてよく眠れなかったし…べ、別に、楽しみってわけじゃないんだからね。」


「ごめん!てか、後半よく聞こえなかったんだけど、何て行ったんだ?」


夏は顔を赤くすると

「う、うるさい!さっさと行くわよ!」

そう言って行っしまったので、後を追った。


またしても、ここに呼ばれた理由がわからなかった(・・・・・・・)




夏に連れられて来たのは、射撃場…射撃部のところだった。


「やあ、夏クン。緑クンは久しぶりだね。」


そう言ったのは、射撃部の部長、的場照幸(まとばてるゆき)先輩だ

先輩とは、中学の頃から知り合いで、部員でもない俺にも良くしてくれている。


ようやく、俺は夏との約束が見えてきた。恐らく、勝負をするのだろう。

夏と俺はよく、ここで勝負してお互いの実力を高め合っている。


夏は愛銃を取り出すと、的に向かって構える。

夏の愛銃《SUMMER72》もとい、真名を《トーラス・レイジングブル》といい、銀色に輝くそれはとても美しかった。


実弾の需要は低く、今の時代魔力を装填するのが一般的だ。装填と言っても、銃に魔力を流し込めばいいので、装填時のスキを無くすことができるようになった。



ゲームが始まった。

このゲームでは、的を射たところで点数化され、この得点を競っている。

夏は、ほとんど外すことなく的を射た。恐らく、かなりの高得点だろう。


次は俺の番だ。俺は、まわりに夏以外誰もいないことを確認すると空間を裂き、黒い空間(・・・・)から拳銃を取り出す。

俺の愛銃は《S&W M500》だ。少し重たいこいつを構えると、引き金を弾く。


ゲームが終わると、夏が寄ってくる。


「あたしの勝ちね。」

嬉しそうに言った。


「また負けた…。お前本当凄いよな」


「なっ…なによ突然。そ、そ、そんなの当たり前じゃない!て、てか、あんたの方が凄いじゃないの。よくそれが使えるわね。相変わらず、呆れるわ。」


確かに、俺の《S&W M500》最強と呼ばれる破壊力をもつ銃なのだが、そのあまりの燃費の悪さから、好まれていない。

しかし、十年前のあの日から突然(・・・・・・・)、人より突出した魔力を保有すると俺にとっては問題なく使えている。


「しかも、それが主武装(メインウェポン)じゃないんだから。」


そう、俺は基本的には剣を使っているが他にも色々使っている。


さっき、これを取り出した空間を【時空蔵(Spacetime Ownership)】という、俺の闇オリジナル魔法だ。

この、空間に作った蔵の中には、多くの武器がいれてある。




そうして、しばらく撃つと、疲れた俺たちは、射撃場をあとにした。


「み、緑。じゃあ、一緒に帰りましょう。」

一緒に。のところを強調したように聞こえた。


(ん……?まてよ…何か忘れてないか……)


「あーーっ!」


「な、なによ。」


「ごめん、先に帰っててくれ!」


そう言って、調理教室に戻ろうとするが…


「み・ど・り・く・ん。」


肩を掴まれた俺は、恐る恐る振り返る。


「なにしてるのかな?ケーキ作るから待っててって言ったよね?」


「は、はい。で、でも、すぐ戻ってくるつもりだったんだ。」


「でも、帰ってこなかったよね。」


「はい。ごめんなさい。」


しかし、雨美は不気味に微笑んでいる。


「へぇー、そうだったんだ。あたしとの約束を忘れて妹といちゃついてたんだ。」


「いや、別にいちゃついていたわけじゃない…です。」


「でも、遅れたわよね?」


「…はい、ごめんなさい。」


こちらも相当怒っていた。


二人は、一歩こちらに近づいてくる。


「まっ、待て。い、一旦落ち着け。」



「「緑 (みどりくん)覚悟できてる(よね)?」」


「す、すみませんでしたー!!」


そう言って、俺は逃げ出した。




はあ、はあ。

俺は、学園内を駆けていた。


(あんなにしつこいやつらだったか…?)


どこへ逃げても、必ず見つけ出され、追いかけっこは一時間を超えた。

身体中ボロボロでふらふらしながら、角を曲がると、誰かとぶつかりそうになる。


相手は生徒会長だった。


「危ないわね。フフッ、こんなところで何をしているのかしら?」


間近で見る会長は、妖艶が倍になったように感じる。


「い、いえ、ちょっと色々ありまして…すいませんでした、会長。」


「大丈夫よ、でも、これからは気をつけなさいね。それから、蛇野綾(へびのあや)、わたしの名前よ。会長って呼ばれるの好きじゃないの。」


「気をつけます、蛇野先輩。じゃあ、俺急いでるんで。」



「ええ。それよりあの子たち、本気みたいだから、気をつけてね緑君(・・)。」


(あれ?俺名前言ったけ?てか、そもそも、追いかけられてるの言ったかな?)


不思議に思いながらも、俺は逃げるのに必死で細かいことは気にしなかった。


その後挟み撃ちにあった俺はボコボコにされ、ケーキは雨美と菜瑠と夏の三人で食べたようだった。




その日は結局図書館にはたどり着けなかった。

出てきた武器について、詳しくはwikiでお願いします。これからも、まだまだでます。


感想お待ちしています。

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