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まもる者~promise~  作者: ユガミウ(旧名 立花 優)
校内戦=友情+努力=青春?
21/28

つかの間の休日

お待たせしました。あと五人でお気に入りが100になります!本当にありがとうございます!ここで重要なお知らせがあるので活動報告をお読みください。


つかの間の休日、その日は朝から雲一つない夏の青空だった。予報では気温は三十度を超え、夕方からは雨が降るとお天気のお姉さんは言っていた。つまり今日は洗濯日和というわけだが…


「これは…どうやって洗えば良いんだ…?」


俺は洗濯機の前で昨日の試合で血にまみれたコートを広げて立ち尽くしていた。ちなみに左腕には包帯が巻いてあるが、海原家専属の医療一族の人に傷は塞いでもらっているので痛みはなく、今日は安静にしておくようにと言われている。すると母さんがやって来てコートを見て「これは魔法がかけてあるわね、洗濯機じゃ洗えないわよ。」と一言。母さんによると魔法の施された衣類は洗えないらしい……どうやら俺の人生初の洗濯は古典的にも手洗いになるようだ。



ゴシゴシゴシゴシ…

ゴシゴシゴシゴシ…

ゴシゴシゴシゴシ…

ゴシゴシゴシゴシ…


腰を屈めひたすら洗濯板で擦ること十分、夏の陽射しが照りつけ心身共に限界は近かった。そして腰は悲鳴をあげていた。


「あーっ!キツイ!!俺も水属性魔法が使えたら…。」


水を巧みに操る奴にとって手洗い洗濯は楽な作業だろう…しかし桶にある水と洗濯板を使わなければならない俺には苦行でしかない。


「まさかこんなに洗濯が苦しいものだったとは…先人恐るべし…。」


そんなこんなで無事洗い終えると物干し竿に掛けておいた、風も吹いていないのでハンガーには洗濯バサミで止めなかった。しかしのちに、俺は洗濯バサミで止めなかったことを後悔することになる…。



人生初の洗濯を無事に終えた俺が家に戻ると、ちょうど今起きて来た雨美と会った。


「おはよう、雨美。」

「ふわぁぁ〜。おはよーみどり君早いね…。」

「いや、お前が寝過ぎな気がするんだが…。」

「昨日久々にあんなに魔法使ったから疲れたみたいで…はっ!この匂いは…お母さーん!」


誰がこの雨美の姿を見てあの学年主席の姿を思い浮かべることができるだろうか…艶のある黒髪も寝癖で所々跳ねていて貫禄はない。ところで…


「………?はて、何の匂いだったか………シャワー浴びるか。」


とりあえず汗を流すことにした。





夕方、西陽が強くなって来て暑さは衰えなさそうだ。


「ん?もうこんな時間かコートを取り込むか。」


ただ純粋に休みというのは久しぶりでたまにはいいかなと思う俺だったが、やはり俺という男は普通という言葉が似合わないらしい。


「………ない!!」


そこにあるはずのコートがなくなっていた。

辺りを見るが風で飛ばされたというわけでもなさそうで見当たらない。


「緑。何してるの?」

「母さん!ここに干してた俺のコート知らない?黒いやつ。」

「あーあれね。私もそこにあったのしか見てないわね。」

「そうか…どこいったんだ?」

「風も今日は吹いてなかったしね………って、アレじゃない?」


母さんが指差す先には家の塀の瓦の上を動く黒いコート…


「あーーっ!!」


しかしコートは一人でに動き始めた。そして呆然と眺めていると止まり、モゾモゾと中から現れたのは…


「にゃぁ〜。」

「…猫?」

「猫ね。」


コートから覗かせる顔の毛は白くとても綺麗だった。そして猫は塀の向こう側へコートを被ったまま行ってしまった。


「なっ!待てよ!」

「あらあら頑張ってね。私は夕飯の支度でもしますかね。」



俺が道に出ると遥か遠くにコートが見える。


「ちっ!もうそんなに遠く…。」


後を追って走り出したが、猫というものには猫の道というものがあるようで。


「いやいや…ここはキツイだろ。」


今俺は、家と家の境となる塀の上を俺は歩いていた。バランス感覚には自信があるのだが走れず距離はどんどん離されて行く。しかもこの辺りは家が密集しており一度見失うと大変なことになる。

しかし俺は屈しない。


「おらぁぁぁぁ!」


そしてそこを抜けると次は細い建物と建物の間だった。

俺は身体を横にして歩き始める、すると俺に災難が襲いかかる。


ジリリリリリリーーー!!


「はっ?」


何かしらの…いや、警報機の作動音が鳴り響く。そして出口を塞ぐように両サイドの地面から刃のついた、ちょうどこの間に合う大きさの金属板が出てきた。冷や汗が止まらない。


「おいおい…まさか…。」


警報機は鳴り止む…死刑執行が決まった。

すごい勢いで俺を挟むようにして刃が迫り、そして…


「ぐっ…………。」


俺は両手を広げ手を向けると【魔力武装】を発動。魔力で腕を形作りそれで掴み動きを止める。


「くそっ!ごめんなさい、こうするしかないんです。俺は悪くないんです。」


更に魔力を注ぎ込めると…握りつぶした。


「はぁはぁはぁ…。ごめんなさい。」


俺はその場を逃げ出した。




目の下で行われた事態を満足気に見る者たちがいた。

「さすが緑くんだ。」

「さっきのは魔力武装ね?」

「そうだろうな!しかも黒…闇と来たか!こりゃあおもしれー。がはははは!」

「うるさい…。」「そうだよー、隣で大声出さないでよねー。」

「どうかな?君の眼鏡にかなうかな?」

「………。」

「相変わらず無口ね。」

「がはははは!それがこいつって男だ!」

「うるさい…。」「もう!何回言わせるのー!」

「でも彼は本当にすごいよ。何と言っても“災厄の子”だからね。それにあの部屋(・・・・)に辿り着けた可能性が高い。」

「へぇ、まあ剛力君が言うのなら間違いないわね。」

「あの部屋ってなんだ?まあいいか、がはははは。」

「………。」「だ・か・ら!!」


この異色とも言えるこのメンバーは学園皆が憧れる学園の四天王。そしてその上に立つ学園一位だ。


「緑くん、僕たち以外の強者を倒してここまでおいで。僕らは君を待っている。さあ最後の余興だ!」





誰も気づいていない。いつも無表情の男の顔に笑みが浮かんでいることに。七大名家をも抑え学園のトップに君臨する彼が海原緑に興味を抱いていることを。




「はぁはぁはぁ。どこ行った…。」


何もない広い平原。住宅街に居たはずの俺はいつの間にかこの場所に導かれていた。


「はじめから俺が狙いか…ん?」

「にゃあ〜。」

「あっ!お前!」


慌てて近寄っていくと猫はコートを置いて逃げていくが、少し離れたところから俺をじっと見ている。コートを拾い上げると汚れを叩く。


「あーあ…せっかく洗ったのに汚れたな…。」

「にゃあ〜!」

「にゃあ〜ってお前な…まあ言っても無駄か。しかしどうやって帰れるんだろうか?」


すると魔力の波動を感じる。ドクッドクッっと波打ち増大していく。その中心には猫がいた。


「まさかお前…。」


次の瞬間、一気に溢れた魔力は俺を突き飛ばした。


「うっ!あぁぁぁっ!!」


白く綺麗な毛が激しく逆立ち、色は僅かに銀色になっていく。更に身体も大きくなっていきその姿はまるで…


「ぎ、銀狼!?」

ー小僧よ。我を甘く見るでないー

「なっ!お前話せるのか?」

ー我をお前呼ばわりとは愚行甚だしいな、我にも主から貰った名があるー

「へぇ、あるじとは誰だ?」

ー言うつもりはないぞ小僧ー


そういうと襲いかかって来た。俺は冷静に横へ逃れるが銀狼版裏拳を受ける。


「ぐっ…。」

ーどうした?さっきまでの威勢はどこへいったー


続けて声高らかに吠える。俺はその音量に平衡感覚を崩され思はず膝をつく。そして前足で蹴り飛ばされる。


「ぐぁっ!」

ー所詮こんなものか…主はなぜこのような男を…ー

「…っ。舐めんなよ、子猫が!」


【魔力武装】を発動し一気に距離を詰め拳をいれるが間一髪、回避される。


ー甘いな、その程度我には及ば…っ!ー


「仕返しだ!」

俺の魔力の拳が回避された分の距離を埋め、腹に一発入れた。


ーくっ……まさかそう来るとはな…だがこれから本気を…ー


「そこまでよフェレ。もういいわ。戻ってきなさい。」


ー主…すぐにそちらへ。…命拾いしたな小僧。ー


そう言うとまばゆい光が俺を襲う。そして目を開くとそこは住宅街に戻っていた。


「何だったんだ今の…。」


目的は謎のままだったがこのまま立ち尽くしていても始まらないのでとりあえず家に帰ることにした。


そして俺の休日は終わった。


忙しい!もっと時間が欲しい!切実に!

そして、違う小説の案ばかり浮かぶ(笑)

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