五大属性と歴史とそれから拳銃
門をくぐった俺たちは、すぐに体育館に移動しようとするが。
「じゃあ、みどり君、菜瑠ちゃん、またあとでね。」
ん?あいつなんかあるのか…?そう思っていると
「うん。頑張ってね、雨美ちゃん。」
どうやら、俺だけ仲間はずれらしい。落胆していると雨美は「ふふっ。」と、上品に笑っていってしまった。
そうして、俺たち二人は体育館へと向かった。その間、菜瑠は緊張していたようだが、俺にはよくわからなかった。
*
体育館の入り口では、クラスが発表されていて、クラスは実力順に上からA、下はFとなっている。当然、菜瑠はA。俺はEだった。『海原家の汚点』これが、世間の評価だ。俺は、基本となる火、水、雷、風、大地の五大属性が使えない。五大属性というのは、地球に初めて生まれた七つの生命のうちの五つには火、水、雷、風、大地の力が宿った。それぞれがどれかに特化していたが、他の力は使えなかった。そこで、彼らは協力しあった。すると、次第に彼らは五つの力は全てを使えるようになり、五大属性と呼ばれるようになった。残りの二人にも力は宿った。闇と光の力。彼らはその、強力すぎる力を自分たちのものだけにしようとした。そして、五人と二人は対立し合い、争った。初め、力故に闇と光は優位だったが、次第に追い込まれるようになり、最後は敗れた。しかし、表舞台には、出なかったものの闇と光の子孫たちは絶えなかった。だから、少数だか、闇と光を使う人もいる。さらに言うと、それぞれの子孫たちは、現在日本では、とある理由から、ある一家は除かれるが七大名家と呼ばれ外交など、幅広い分野で活躍している。つまり、海原家は水を。雷豪家は雷に優れているのだ。
閑話休題
とはいえ、俺は、何もできないわけじゃない。体術と剣技には自信があるし、じいちゃんしか知らないが、あの力もある。でも、まだ使う時じゃない…。師匠にも言われたじゃないか。
「ーーー大切な者を護るときに使うんじゃぞーー」
ふと、意識を戻すと、菜瑠が心配そうに俺を見ていた。
「………あっ、あの……大丈夫ですか…?」
「あ、ああ。大丈夫だ。心配ない。」そう言って、はにかむと菜瑠は無言で走って行ってしまった。耳が赤かったのは見間違いだろうか?
*
俺は体育館に入り、E組の席を見つけると座り、周りを見る。ほとんど皆、みたことある顔で、一人の男と目が合う。そいつは、いやらしく笑うと隣へやってきた。
「おう、緑!元気そうでなによりだ。朝から美少女を二人も侍らせやがって。」
「聡。何度も言うが、侍らせてない。あと、その右手の小刀をおろせ。」
「なに、心配するな、すぐ楽になる。」
そう言って、構える男。石川聡とは、腐れ縁で小学校から一緒だ。こいつの、小刀のテクは相当なものだ。
「さあ、死ね。今すぐ死ね。リア充死ね。」
「ま、まて、目がマジだぞ。ここではやばいって。」
すると、そこに女神?が。
カチャ。
聡は恐る恐る振り返る。聡の目の前には拳銃が突きつけられていた。
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