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まもる者~promise~  作者: ユガミウ(旧名 立花 優)
校内戦=友情+努力=青春?
19/28

校内戦予選~女神は力を発揮する~

遅くなりましたorz

次を書く前に改稿していくので誤字ありましたら教えていただけると幸いです。

それから改稿については活動報告に書くので見てもらうとどこが変わったのか重要なことは報告いたします。


では本編どうぞ!

一回戦を終えて一時間の休憩を挟むと二回戦が始められ、俺を含めて知り合いは皆難なく勝ち進んでいた。ちなみに卓の奴も勝ち進んでいて火属性魔法を主体に大地属性との二重詠唱(デュアルスペル)である《爆炎》を使い相手を圧倒していた。《爆炎》について詳しく話すと、火属性と大地属性の二重詠唱のうち火属性の比率を高くしたものを《爆炎》と呼び、逆に大地属性を高くしたものを《爆撃》と呼ぶ。《爆撃》は大地属性魔法を得意とする剛力家が好んで使っていて、その威力は地形を変えてしまい秘術の中には禁術指定されているものもあるほどだ。

とは言え…


(妹尾家……特に有名な一族というわけでもないのだが…《爆炎》を使うほどの人間がいるとは…。)



「みどり君!もう、何度も呼んだのに…何考えてたの?ほら!菜瑠ちゃんの三回戦が始まるよ!これに勝ったら準決勝、そして決勝なんだから応援してあげなきゃ!」


少し興奮したように頬をほんのり赤くして矢継ぎ早に言った我が妹。


「そうだな、相手は……A組の奴か。相手は強いのか?」

「うーん…まあまあってところかな…。でも昼からの準決勝の準備もしたいだろうから、菜瑠ちゃん少し本気出すかもね。」

「それは楽しみだな。あのスピードは凄いもんな…俺もどうせならあれくらいまで速くなりたいよ…ん?ってことは、お前や夏も次は少し本気を出すのか?」

「まあ少しはね…もしもの時があるといけないから。」

「怪我しない程度に頑張れよ。」

「うん♪」



試合が始まると相手は菜瑠に向かって駆けて行き、菜瑠は魔法を発動して周辺の空気はバチバチ音を立てている。


「相変わらずの芸当だな…あれは。」

「電子を伝って放電しているんじゃなくて、電子そのものを利用して電気を生じさせ魔力の消費を抑える…だったっけ?」

「当たり。最初のキッカケとしては少し電気を流してあげる必要はあるけど、ほとんど消費しなくて済むから便利ではあるけど……現実的ではない方法だな。その辺りはさすが『閃光の女神』だな。その所以久々に見せてもらおうじゃないか。」


簡単に近づくことの出来なくなった相手は遠距離魔法を撃つが容易く躱される。接近戦は電気で周りを覆うことで防ぎ、遠距離になると得意のスピードで躱す。これこそが菜瑠の序盤での戦法だ。


「行きます…【麒麟】!!」


高電圧からなる電気は麒麟の形をと相手を襲う、これを受けると戦闘不能状態になることは避けられない。俺は今まで何人の犠牲者たちを見てきたことか…。しかし相手は予想していたのかすぐに詠唱を始めると目の前に大きな土の壁を作り防ぐが、同時に壁も粉々に砕け散ってしまった。

菜瑠は少し残念そうな顔をした後、申し訳なさそうに


「ごめんなさい。わたしもここで負けるわけにはいかないんです……構成を分解…【紫電の閃光(D-Flash)】」


菜瑠の身体中から紫色の電気が溢れ出し覆われていく。身体の構成物質を電子レベルで分解していて今の菜瑠には肉体がない。分解された物質は一時的に魔力によって繋ぎ合わされて身体の形を保っているので、身体に傷がつくことはない。更に速さは桁違いで現代のどんな加速魔法でもこの速さに勝るものはないという雷豪家の秘術。そしてこの力その実力、容姿を持ってして菜瑠は『閃光の女神』。雨美と夏もそれぞれ『清雅(せいが)の女神』『赫灼(かくしゃく)の女神』と呼ばれていて世間から期待と親しみを持たれている。


会場はどよめき菜瑠を知る附属上がりは久々に見るその紫電の輝きとこれからの期待に、外からの入学者たちは生で見る【紫電の閃光】に興奮していた。動いた!そう思った時にはすでに相手の後ろに回っていて紫電は尾を引く暇すら与えてもらえないほどだが、初めから予想していたのか既に振り返っていたが光と同等の速さを誇る今の菜瑠を前にその程度の手段が通用するはずもなく、再び後ろへ回られ相手に触れると電撃によって意識を刈り取った。


「どう?みどり君今の見えた?昔から動体視力は良かったよね?」

「動体視力で対応できるほどの速さではなかったな…何が起こったのかは何となく分かったが…姿を捉えることはできなかったな。」

「わたしなんて気がついたら勝負が終わってたよ。菜瑠ちゃんに勝つにはあれをどうにかしないとね…。」

「何だ雨美、お前菜瑠に勝つつもりだったのか?」

「当然だよ!どうせやるなら負けたくないよ…じゃあそろそろ控え室行かないと…。みどり君も頑張ってね!」


そう言うと走って行ってしまった。


(そういえばあいつは負けず嫌いだったな…)


容姿端麗、頭脳明晰、非の打ち所がない雨美だがそんな彼女を作り出したのは負けず嫌いの性格のおかげかもしれない。誰よりも完璧でありたい、何も誰にも負けたくない。それが彼女の原動力になっているということをこの時の俺は知らない。



それから大きな事件もなくAブロックの三回戦が終わり、これからBブロックが始まろうとしていた。クラスのやつがちらほら出ているような気がするがこのブロックでは夏以外の試合に興味はない。それはきっとお互いにだろう。

そして夏の出番になったが菜瑠がここに来る様子もなく俺は一人で見ることになった。




俺の額に…そして頬を伝って一滴地面に落ちる。確かに今の季節は夏、夏真っ只中だがここ演習場は最も戦闘に向いた気温、湿度となっているはず……だったのだが…


「……暑い…。」


演習場は灼熱地獄となっていた。戦闘フィールドの大半は炎で覆われその中央には炎に照らされた髪をなびかせ佇む夏がいた。彼女の実力を知る者すらその圧倒的な力に唖然としていた。それはほんの数秒(・・)の出来事だった。




試合が始まった。相手も同じA組のようで確か有名な一族だった気がするがよく覚えていない。夏の相手は魔法を発動し地面から次々と鋭い突起をいばらのように作っていく、同時に地形も変わっていった。


(…あぁそうかこの人どっかで見たことあると思ったら剛力家のガラードの奴だったのか。)


剛力家のガラードの中で重役を担っているのが夏の相手をしている奴の一族だ、彼らは初撃で攻撃と補助の両方を備えた魔法【戦地壊変(Ground Decay)】を使い地形を自分たちに有利なものへと変えるついでに攻撃を与えてくる。しかし名家である夏にとって本気で当てにきた攻撃でない攻撃を避けることなど容易いことだ。突起に一つも当たることなく避け、目の前に広がる数秒前とは違うフィールドにも動じることなく冷静に唱えた。


【地獄の業火】


俺が数ヶ月前に見たものとはまるで違う全てを焼き払う火野家の秘術は土を焼き、空気を焼き相手の一歩手前までは灼熱地獄となった。


「あなたの負けよ。降参しなさい。」


ーーーリザイン


会場には敗者の声が響いた。



「凄かったですね…夏ちゃん。」

「ああ…そうだな…この数ヶ月の間でだいぶ名家らしくなったようだな。さっきの魔法にしても前とは比べ物にならない。」


夏の試合が終わったあとすぐに菜瑠と合流して荒れたフィールドの修繕を見ながら話している。会場にいる一年もさっきの試合を見て、今の一年で一番強いのは夏ではないかと思い始めていて圧倒的な実力差に意気消沈している者もいた。俺も夏が一年で一番強いのではないかと思ったがもし夏に勝てるとしたらそれは……。





「おかえり、夏ちゃん。」

「ただいま…雨美。」

「凄かったねー!この前よりまた威力上がってたんじゃない?」

「ええ、あたしもこの数ヶ月ただカウンセリングしてたわけじゃないから。」

「わたしでもさっきのちょっと厳しいかもねー。」

「…………。」

「…でもね、わたしは負けないよ。だってわたしは一年生の首席だから。全一年生の頂点だから……それは魔法戦闘においても同じ。わたしは誰にも負けたくない!もちろん夏ちゃんにもだよ……じゃあ行くね。」


そう言うとわたしは控え室を出てフィールドに向かう。




わたしと夏ちゃんは幼稚園、小学校、中学校とずーっと一緒だった。わたしにとって彼女は幼馴染であり親友でありライバルでもあった。いつも同じような成績でそれでも僅差でどちらかが一番で二番になる。夏ちゃんより真面目だったわたしは次第に優等生のイメージを持たれるようになり、周りの期待も次第に大きくなっていった。夏ちゃんはその明るさから誰もが馴染みやすいムードメーカーのような人物になっていった。中学になると学力では夏ちゃんは優秀ではあったけど飛び抜けてというわけではなくなったけど、わたしは周りの期待を裏切らないために必死に勉強して中学でも一番を守り続けた。すると更に周りの期待は大きくなって、わたしは全部完璧でいたいと思うようになった。でも魔法戦闘ではわたしと互角の人がいた…夏ちゃんだった。ほぼ互角の実力で勝つのはその日の運次第だった。そしてどちらが強いのかハッキリしないまま高校生になったわたしたちは…いや……単純にわたしが思ってるだけなのかもしれないけど、わたしはこの校内戦でハッキリさせたいと考えている。赫灼と清雅。どちらが勝利の女神となるのか。わたしは負けない…負けちゃいけない…。絶対に……。



控え室で準備をしていた緑は雨美の戦いがいつもと違い、荒くあせっていたことに気づくことはなかった。




「いい目だ…焦りが恐怖が不安が混在している目だ。ターゲットはあの女にしよう……きっといいデータが得られるはずだ。」


演習場の端、白衣を着た研究者にも見える男は一年生の試合を見て不気味に笑みを浮かべていた。視線を観客に向けてあの男(・・・)を探すが見当たらない。


(一度見ておきたかったんだがな…オリジナル(・・・・・)を、まあいずれ会うことになるからいいか)


これから先のシナリオを考えると再び笑みがこぼれるのだった。




校内戦に不穏な事態が起こり始めていることにまだ誰も気づいていない。



誰にでも心に抱えるものがあるんです…はい…。

感想、評価よろしくお願いしますm(_ _)m

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