校内戦~予選迫る~
大変遅くなりましたorz
しかもそう長いわけでもないという…。
すみません。予約投稿ミスしましたm(_ _)m
「なあ。」
「何だ人間。」
「何度も言うけどその呼び名やめようぜ。」
「誰がお前の名を呼ぶか下等生物。今のこの状況は我々の気まぐれだ。」
「気まぐれでも俺たちに力を貸してくれんだろ?改めて言う俺は黒乃だ。」
「…フン。」
「お前の名前は何だよ。」
「……。」
「まあいいか、いつか教えてくれよ。それより見ろよこの世界を!まだ始まったばかりなんだ、ここには俺を含めて人間は七人しか居ないがあいつらはこの力をを共有しようなんて考えてやがる。だけどな…俺はこれを使ってて思うんだ、この闇の力は他のそれとは違うってことが。だからこそ俺はこの力の真理を知りたい。」
「…そんなことができるものか…。」
「できる。なんてたって俺にはお前がいるからな。」
「…勝手にしろ。」
(…これは……夢?俺は確か…)
突然辺りは暗くなり声が響く。
—さすがだな緑は…それでこそ黒崎の人間だー
(お父様……)
ー本当凄いですわね、緑君は。もうここまで使いこなせるなんて…ー
(なんだこれは…)
ー緑様は歳だけに才能を感じさせますな。それに引き換え紫様は五大属性魔法も使えず…ー
ー凄いね…緑は…。お姉ちゃん嬉しいよ…ー
ーそんなこと無いよお姉ちゃん!お姉ちゃんが教えてくれたから…ー
ー違う…全て……ううん、なんでもない。誇っていいのよ緑。あなたが凄いのだからー
ーえへへ…ー
(変だ…こんなの…変だ!俺と姉さんが逆じゃないか!)
すると目の前に人が現れる…紅い目をした俺だった。
「これがお前の理想。本来の光景だ。」
「本来の……?……こんなの望んじゃいない!俺は…今のこの俺自身をとっくに受け入れている!」
「だがお前は心の奥底で姉を超えていたいと…こんな不運は姉が背負えばいい。姉が才能に溢れていることにお前は嫉妬し、憎んでいる。」
「そんなはずない!!俺は姉さんを尊敬している…何より俺は姉さんが大好きだ。唯一俺を認めてくれた姉さんを……憎むはずがない!」
「…人は誰しも心に闇を持っている。しかし人はその闇を認めようとしない…それはお前も同じだ。俺はお前であり、お前は俺だ。俺はお前のことをお前以上に知っている。」
「うるさい!!黙れ!」
「フッ、いい目だ…それでこそ俺だ。また会おう………。」
空間は次々と崩れていき、俺は暗闇に呑まれていった…。
*
ゆっくりと目を開ける。映ったのは青空ではなく歪にゆがんだ空間の空だった。
(全部夢だったのか…?)
俺の理想、そしてもう一人の俺。あれが俺の真実なのかよくわからない。少しでも姉さんを憎んでいるのだろうか…もしそうだとしたら……いや、そんなことはない。この気持ちは尊敬なんだ…。
「目が覚めたか。」
「ああ…おかげで身体は問題ない。」
「そうか。では早速続きを始めるとしようか…お主が寝てから丸一日が経った。とりあえず予選を目標にやっていこう。」
こうして修行は再開したのだが…
「炎よ…這え!」
「うわっ!あちっ!ちょ…【拒絶】……ってあれ?……ゔぁぁぁっ!」
「……どうやらまだ引き出せないようだが、こればかりは本人の感覚が全てなんだ。この魔法はどの属性にも属さないし、変質属性でもない。“心想魔法”と言うんだ。詳しく解明されていないが人の想いが生み出す魔法だと言われている。でもこの魔法の使い手が少ない理由は、この魔法のもう一つの言い方にあるんだ…。“心想魔法”又の名を“憎悪魔法”……心の闇が深いものだけが使えると聞く…。だが気にする必要はない、俺はお主が闇に呑まれることなく正しい使い方をすると信じている。そしてきっとこれからお主はこの心想魔法の使い手たちと会うこともあるだろう。どいつも厄介な力をしてるが………負けるなよ。」
「そんなの言われなくとも当然だろ?さあ…始めようぜ!撃ってこい。」
「うむ…。では行くぞ!」
(集中だ……。集中しろ!)
先生は炎の大蛇を作ると俺に向けて放つ。俺は昨日の感覚を思い返す。死にたくないと心から思い、死を拒絶したあの時の気持ちを…。
「【拒絶】!」
背後に魔法陣が浮かび上がると身体中を魔力が巡るのを感じる。そして炎が身体に触れると一瞬炎が跳ね返るがそのまま右腕に絡みつく。
「くっ…。」
俺は右腕の服が焼けはじめ、すぐに横へ飛び消火する。魔法を打ち消すことはできなかった。
「惜しかったな。もっと自分を信じてやってみると跳ね返すのではなく打ち消すこともできるだろう。」
「要は気持ちってことだな。俺はまだまだ強くならないといけないんだ。自分の力ぐらい扱ってみせるさ。」
それから驚く早さで時は過ぎ、予選前日となった。
今俺には炎の大蛇が迫り来ているが俺は逃げることをしない。剣を構えると立ち向かって行き触れた瞬間に発動する。
「【拒絶】」
触れた炎は霧散するが一部は残り火となって地面に落ちる。あの後ひたすら修行を重ねた俺はある程度理解はできたが成功率は高くない。この魔法は俺の身体に触れたところが有効範囲となり五大属性魔法ならば全て打ち消すことができる。さらに魔力消費が大きく全力で発動すれば三回が限界だろう。
俺は最低限で発動し先生へと迫る。最後の調整は模擬戦闘で全力でやるように言われている。
魔力武装によって魔力を纏わせた剣を振るう。
「【漆黒の彗星(Dark Comet)】」
剣から放出された魔力は彗星のように尾を引き地面を抉る。
「炎よ焼き尽くせ!」
黒の魔力と炎がぶつかりせめぎ合い爆発した。辺りに土埃が舞ってお互いの姿を消す。俺は【象悪】によって空間を把握するが気づいた時には背後に回られていた。
「もっと殺気を感じろ!お主の戦う世界では背後を取られるとそれは死を意味する。」
咄嗟に剣で防御するが一本取られたのは歴然だ。
「はああああああっ!」
俺は魔力が尽きるまでやり続け、気づけば夕方になっていた。
「はぁはぁはぁ…もう…動けねぇ…。」
「よく頑張ったな、組み合わせにもよるがお主が本戦に出場する可能性は高いだろうな。お主はやはり黒の魂を受け継ぐ者だ…血は争えないな。これは俺からのプレゼントだ。これを着ていれば身に纏った魔力をこの下に隠すことができるからバレずに済むだろう。健闘を祈ってる。」
渡された物は黒いロングコートのようなもので魔法で加工されている。
(これで少しは聡と向き合ってやれるかもな…)
明日に向け準備は万端だ。
*
(疲れたな……遂に明日か…)
今俺は遠足の前のようなワクワク感と適度な緊張感を感じ校門に向かっていた。
夏休みとはいえ、明日から始まる予選に向け考えることは皆同じようで学園には多くの生徒がいる。どの生徒も有名な家の子で俺を見る目は蔑んだものだった。だがこの目で見られるのも最後だろう。俺には約束を果たし仲間を護ることも大切だが、純粋に強い者と戦いたいという気持ちもある。今はまだ全てを明かす時ではないけれど、少しくらいは本気になってもいいだろう。腐れ縁もそれを望んでいるようだし…。
中庭を通っていると声をかけられた。
「緑!」
懐かしいこの声は夏のものだ。振り返るとそこには確かに夏がいた…しかし三ヶ月前とは変わっていた。綺麗なオレンジ色の髪には濃い赤のメッシュが入れられていて、雰囲気もどこか前よりも落ち着いていた。おそらく……
「…夏。お前…儀式を終えたんだな…。」
「ええ、カウンセリングは一ヶ月あとの二ヶ月は…言わなくてもわかってるわよね?」
「…そうか………。」
「そんなにあんたが落ち込む必要はないわ。これは遅かれ早かれやらなきゃいけなかったこと。火野に生まれたあたしの運命。」
「そうか…強いなお前。」
ふわっと鼻に柑橘の香りがした、気がつくと夏が目の前にいて俺の眉間に銃を構えている。
「そんなに同情しないで…知ってるでしょ?あたしが同情なんてされても嬉しくなんてないこと。まだ不安定なの……あまり怒らすとあたしの中の悪魔が緑を殺す。だ…か……ら……」
急に言葉に詰まったかと思うと、目を見たまま顔をどんどん赤らめていく。俺と夏の顔はとても近かった。
「だから……?」
「……ち、ち、ち……近い!!近いわよ!この変態!」
「いてっ……お前が近づいて来たんだろうが!」
「知らないわよ!不安定って言ったでしょ!ま、まあいいわ。ちょっとはこっちも悪かったし…。」
「えっ?」
「何でもない!それよりあたしも明日の予選出るから。楽しみにしてるわね。」
そう言って去って行ってしまった。
不安定とはいえ俺に銃口を向けれるところを見るとカウンセリングは問題なく成功したようだが…薄々思っていた、カウンセリングだけじゃないのかもって…。
儀式。それは火野一族に伝えられる伝統で当主継承の儀式の意味をもつ。火野家では当主となる者皆、代々伝わる悪魔を体内に宿すことが義務されている。それによってもたらされる影響は魔力の向上や身体能力の強化などプラス面もあるが宿すことによって寿命は着実に蝕まれていて、その度合いを示すのが髪の色だ。完全に蝕まれたとき髪の色は綺麗な赤色へと変化する。現当主の夏の父ももう殆ど赤色をしている。そこで火野家は完全に蝕まれる前にそれを次期当主に引き継がせる。俺はそういう風に聞いている。
おそらくまだ夏の中に完全に継承したわけではないだろうが半分ほどは終わっているだろう。
(とは言え…あいつも出るのか。)
俺は大方の予選通過者が見えてきた…
感想やアドバイスなどよろしくお願いします( ´ ▽ ` )ノ
本日は体育祭!来週からはまた通常通りになれる……かな?




