自分を受け入れること
遅くなりましたorz
完全にスランプ入りました…なんか、進みません。
「お主の姉、紫は十年前にここへやって来た。それも無理やり空間を繋いでな。驚いたよ、まさかあの歳でこの結界を外部から破ってくるなんて、もちろん俺たちは戦った。こんな子供に負けるほど衰えてない筈だったでも結果は俺の完敗だった。あやつはすでに全てを知っていた。伝承を伝えた時も微塵も驚いちゃいなかった、そしてあやつはお主が十年後にやってくることを俺に言うと闇の属性、力の使い方を教えるように頼んで来た。俺は半信半疑だった、ここに人がやって来るのは百年に一度くらいの程度にすぎないだからだ。だが事実お主は来た。」
「姉さんが…。」
「フッ、でもあやつがお主を心配するのもわかる。はっきり言うぞ…お主は弱い。何より闇の魔法の扱いがなってない。お主が誰に教わったのか知らないが、闇の扱いは闇を使うものしかわからないからな。この程度が限界だろうな。」
「……師匠をバカにするのか?」
「別にバカにしたわけじゃない、ただ事実を述べただけだ。体術や剣術はそれなりのようだったが、それらだけでやっていけるほどお主の戦おうとしている世界は甘くないぞ?お主の師匠はわかっていたはずだが…所詮そいつも大したことないんだろうな。」
そいつは挑戦的な目を俺に向け嘲笑う。
「……やってみなきゃわかんねぇだろっ!」
俺はそいつの元へと素早く移動し殴りかかる
「そういうところも悪い癖だな。他人をバカにされるとすぐにカッとなる。…遅いな。」
姿は人間へと変え、目の前から消えたかと思うと俺の隣に立つと脚で地面へと押さえつけられた。
「ガハッ!!」
俺はもがくがそいつはビクともせず、そこには圧倒的な差があった。
「何だ?そんなに師匠をバカにされたことが悔しいか?お主が師匠の力を示すつもりだったか?だがお主は弱いからな、むしろ面を汚したんじゃないか?」
「な、…んだ……と。」
肺が圧迫され声が出ない。
「今のお主に何を言っても無駄だな、何も見えてない。今のお主じゃ絶対に強くなれない。よく考えろ…話はそれからだ。俺はいつでもここで待っている。また来ることを願ってるぜ。」
俺は蹴り飛ばされ再びあの空間に呑まれる。
ーーー自分をよく知れーーー
最後にそんな声が聞こえた気がした。
*
…く……ん。
……ど…り
「おい!緑!!」
「ハッ!」
俺は辺りを見る。気がつくとそこはさっきまでの場所とは違い、高く広いと思われる空間には本棚があり本が詰まっている
「ゆ…夢?」
「どうしたんだよ?こっちに来たと思ったらいきなり倒れやがって。」
「そうだよ緑くん。僕より遅いし…やっぱじっとしておくように言ってなかったのが悪かったかな…。」
(夢じゃない……。)
俺は今までのことを思い返す。俺はやはりあいつと戦った。魔力も枯渇に近い。でもあの空間にいた時間はそんなに短くない。
つまりあそこは別の時間の中で隔離されているのだろう。色々不思議なこともあるが隼斗さんは何も言わなかった…いや…あの部屋を知らないのかもしれない。
この事は話す必要はないだろう。俺の直感がそういっている。
「大丈夫…。倒れたのはあまりに長く彷徨ってたから…上下左右の感覚が麻痺しただけだ。」
俺は卓に手を引いてもらって立ち上がる。
やはり、魔力の消費がすごくさっきの出来事は夢じゃないことを表していた。
「さて、みんな!ここが禁書庫だよ。一つだけ絶対のルールがあるからね。まず資料は持ち出し禁止だよ。まあ国の重要資料もあるから当然なんだけど…。それからここで得た情報は絶対に他言無用だからね。それだけ守ってくれたらいつでも自由に閲覧していいから。」
自由な時間を貰い、俺はとりあえず見て回るが集中できていなかった。
俺は本当に姉を救えるのか…俺の意志はいつになく揺れていた。
あいつは強かった…確かに師匠以上だった。
俺はあいつのスピードについていけなかった。姉を助けるためにはあいつを倒せるようにならなければいけない。そのためには……やはりあいつから教えてもらうしかないだろう…。
しかし、あいつは俺が何も見えていない、それに気づかないと強くなれないと言っていた。
何が見えていないんだ!俺は、誰も傷ついて欲しくない。二度と失いたくない。あんな悔しい思いはしたくない。…俺にはわからなかった。
突然あの樹が見たくなった。倒れず、朽ちることのないあの樹を黒崎のシンボルを。
部活を早退した俺は旧黒崎邸、今は神社になっているこの地に来ていた。ここには黒崎の祖先の魂が眠るとされているため、神社にその魂が祀られている。
俺は大きな黒い樹の前に立つとその幹を触る。様々な思い出が蘇る。
辛かったことや楽しかったこと、悔しかったことや幸せだったこと。そして何より俺を信じてくれていた姉の姿を…幼いまま変わることのないその姿が脳裏に浮かんでいた。
俺はこの止まった時を取り戻すために、そしてこの先、何も失わないために十年間やってきた。
毎日毎日、あの日のことを思い出しながら頑張ってきた。
そして次第に俺は強くなり、力をつけていった。少しずつ姉に近づいていた気がした。それがたまらなく嬉しかった……そうだ。確かに俺は全てを“まもる”ためにやってきた。でも本当は違う。俺はみんなの為と言いながら結局は自分が傷つくのが怖かったんだ。自分を“まもる”ために他人を“まもる”。強くなるのは他人の為じゃない自分の為だったんだ。認めよう。俺は誰よりも自分が一番だったんだ。
*
「ほう…。」
「俺は自分の為に強くなりたい。そして全てを“まもり”たい。その為にはお前の力が必要なんだ。俺に闇の使い方を教えてくれ。」
あの後、学園に戻りここを訪れていた。
「思いのほか早かったな。その通りだ。人間はみな自分の為に力を欲する。でもそれを自分の為だと認めようとしない。無意識のうちに自分を守る生き物だからな。特にお主は自分がバカにされているのに気づかず、師匠をバカにされたと思っていた。自分を認めないやつに強さは手に入らない。お主はわかったようだな。では早速稽古にはいる。心配はいらない気づいているだろうが、この空間の時間は隔離されていて現実とは無縁だ。だからといってお主の時間が止まったわけじゃないからな。ここに居過ぎることで現実での寿命が縮まっていることを忘れるなよ。」
*
「ほら!しっかり纏わんか。放出するわけとは違うんだぞ!」
俺は今全身に魔力を纏っていた。
今俺がやっているのは魔力そのものを使う魔法で【魔力武装(Magic Armed)】だ。これは変質属性と呼ばれる属性で各国の強者ならばみな使えるらしく自分の魔力を使った魔法だ。
俺の場合は闇の属性が付加されているので纏った魔力は黒い。
この【魔力武装】は使い方次第で攻めから守りまであらゆるものに応用できるらしい。
しかしやはり難しかった。
纏うというのは本来ならば大気に流れてしまうところの魔力を留めるので難しかった。
「よし!今日はこれくらいだ。まだまだと言ったところだな。それは基礎だからな。俺は夏までにお主を徹底的に鍛える。覚悟しておけよ。」
それから三日後。ゴールデンウイークを明後日と控えたその日には、俺はある程度纏えるようになっていた。
「なかなか才能あるじゃないか。俺は舐めていたようだ。今日はこれくらいにしてちょっと話をしておきたい事がある。いずれ知る事にはなるだろうが。」
俺たちは祭壇へと向かった。相変わらずなんと書いてあるかわからない。確か…まあいいか。そんなに大したことじゃなかったはずだ。
「あれ?そういえば初めにこの部屋に入った時祭壇の上に何かあったように覚えてるんだが。」
「そりゃそうだ。あれはここへ向かわせるための囮で今は別にあるからな。さて…これから話すことはこの世界の本当の姿についてだ。」
「今、日本では七大名家が中心となって社会を動かしている事は知っているだろう?みんな平等な社会。それは表向きの日本だ。だが実際はどうだ?有名な一族の者は下の者を見下し。お主のように才能なく生まれてきた者は、汚点だなんだと囁かれる。結局、力のある者が上に立っている。しかしそれを良しとしない奴らがいた。
『夜明け』
そいつらの組織の名前だ。この組織は日本を中心に各国を飛び回っている。結成当初は平和と平等をモットーにしていたがここ近年では日本政府…七大名家との対立が激しく怪しげな動きが目立ってきてな。そして…ここからが重要だ。この組織が紫を連れ去って行ったと俺は考えている。あやつらは各国の実力者が集められた組織だからな…まあ心配するな。俺がお主をこいつらと渡り合える程にはするつもりだ。話を戻すがその組織はここ数十年、とある魔法の完成を目指しているらしい。まあとにかく。お主に知っておいて欲しいのはそんな組織があって、思っているほど平和じゃないということだ。いずれまた詳しく話す時が来るだろう。」
*
話を終えると緑は帰って行った。
本当に思った以上だ。ポテンシャルならあの紫にすら負けていないだろう。それに闇の魔法も発想は素晴らしいと思った。
カサッ
手に持っているのは緑のデータだ。保有魔力、使用属性、技、生い立ち…etc。これは紫が送ってきたものだ。
ここには住所というものはない。これはこの前この空間に投げ込まれたのだ…誰にも気づかれることなく。その異常は健在のようだ。
(お主らは何がしたいんだ…)
次は早く書き上げたいです。お待ちください。
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