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Lapis philosophorum   作者: 愛す珈琲
第七章 overwrite personality
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第84話 櫛名田比売はアーサー王!?

一部Wikipediaを引用しました。

【ディルムッド視点】


俺は壁によりかかり、ク・ホリンとアーサー王の戦いを見ていた。

槍のク・ホリンに対し、長剣と短剣の二刀流で戦うアーサー王はまさに互角と言った様相でここで俺が彼女にゲイ・ボウを投げれば一発で勝負が決まるだろうが、それでは俺の名が穢れる。一騎打ちで疲弊したアーサー王の首をはねれば、それでいいか。


そう判断した次の瞬間、絹を引き裂くような女の悲鳴がしてステファニーの体を先端にして赤い棒がどんどん伸びていくのが見える。その先にあるのは昼間の月。どうやら孫悟空が、如意棒で彼女を月に叩きつけたらしい。確かに、ギャグキャラと化した彼女に生半可な攻撃は通じないがむちゃくちゃすぎやしないか。


「両者、そこまで!」


姫様が屋上に上がってきたが、二人の耳には届いていないらしい。彼女が再び声を上げようとしたその時、二人が不意に体を離すと二人がいた場所に比喩ではなく雷が落ちた。


「そろそろ授業が始まるよ。二人とも」


ゼウス、やはりいたのか。何でも孫悟空がステファニーから呼び出しを受けたことで、俺達が何らかのアクションを起こすかもしれないとスタンバっていたんだとか。


「義姉さん助かっ……」


礼を言おうとしたアーサー王を、ゼウスがヘッドロックする。

大将が、一人で敵陣に乗り込んでどうすると。

正論だな。アーサー王が剣しか持っていないのは、あくまで彼女が最後の砦だからだ。

エクスカリバーは確かに有名だがそれほど強力な剣ではない。彼女に求められるのはあくまで防御力であり、彼女の矛は聖剣ではなく円卓の騎士であるべきなのだ。


「あんたの能力は、どう考えても後方支援じゃないか。皆に敵と戦わせて、あんたは後方から敵に幻覚を叩きこむのがベストなスタイルなんだよ。単身で特攻してどうする、このおバカ!!」


「いだだだだだだ……」


「全くもって正論だが、俺たちにそれを話して大丈夫なのか?」


ク・ホリンの疑問にゼウスはふんと鼻を鳴らすとつまらなそうに答えた。

あんたらは、この子の能力を知ってる。ならば、そのぐらいの考えは及ぶだろうと。確かにな。


【ディルムッド視点 了】


うー。まだ頭が痛い。ヘッドロックしながら、頭頂部を拳でゴリゴリするのはやめてほしかったよ。

アイリーン先生の家庭教師のお陰か、最近漢字ドリルの正解率も上がってきた。漢字の成り立ちから考えるか、なるほど。

授業時間が終り、休み時間になると義姉さんが口を開いた。


「で、もっくん。誰を英雄に変性させるんだい?」


「ねえ、トリアに質問があるんだけど例の魔王ちゃんと恋仲になる気はあるの?」


「ない」


イヴォンヌが急に、変なことを聞いて来たけどこれには即答できる。女の子が好きな女の子がいることは、私にだって解るけど私は男の子と恋愛がしたい。


「じゃあ簡単ね。久保君がんばって!」


「どうしてそうなる?」


イヴォンヌの考えはこうだ。久保が、私の恋人のふりをする。そして、嫉妬したフィオナを倒せば問題なし。そのためにも、久保を英雄にしておかなければならないとか。優一君は男の娘だから百合疑惑を払しょくできないし、涼介君はゆいちゃんゆいちゃん言ってる人だから不自然すぎる。礼志君では、ショタコン疑惑が持ち上がるだけ。ヴィンセント君もいるけど同じ年の久保の方がいいだろうとのこと。


ヴィクトリアの記憶を探ってみても、別にあの時のことを根に持ってはいない。ただ、なんて言うかこう仲良くなるきっかけがないと言うか理由がないだけだ。そう言うと、ちょうどいいじゃんということに。


「嫌なら、無理にとは言わないがな」


久保はそう言いながら、眼鏡のつるを中指で押し上げた。


「大丈夫。記憶が認識できない今なら、行けると思う」


てことは英雄に変性するのは久保かあ。グィネヴィアだったら嫌すぎるなあ。


「Eloim, Essaim Elo'tm, Essaim(エロヒムよ、エサイムよ、わが呼び声を聞け)」


「モイセスさん、次は私にお願いします。セフィロトの樹の防衛役は必要ですよ」


それもそうね。と言うわけではちゅも英雄に変性させることになった。


【翔視点】


父は姉に高天原たかのまがはらを、兄には滄海原あおのうなばらを、俺には夜の食国よるのおすくにを治めるように伝えたが、俺はそれを固辞。

俺は母のいる根之堅洲国ねのかたすくにに行きたいのだ。俺がそう伝えると父は激怒した。


「この、痴れ者めが!あれは最早、神ではない。人間に、死の呪いを振りまく悪鬼ぞ!追放だ!貴様のような者など、どこへなりと行くがよい!!」


俺は母のいる根の国行く前に、姉に挨拶をするため高天原にいくと彼女は何を思ったか俺に攻撃をしかけてきた。正式な装いに身を包んだ方が良かろうと武装したのが災いしたのだ。

自分は無害であることを証明するために誓約を立て、信用されて中に入ることができたのもつかの間、若気の至りかちょっと調子くれてしまった。


姉は天岩戸に閉じこもり、世界は闇に包まれたため神々は彼女を引きずり出すために一計を案じて宴を催し、さすがに周りの目もあって俺は同席できなかったがこっそりのぞいていたら。


「13番!アメノウズメ!裸踊り行きます!!」


アメノウズメがうつぶせにしたうけの上に乗り、背をそり胸をあらわにし、裳の紐を股に押したれて、低く腰を落して足を踏みとどろかして千草を巻いた矛と笹葉を振り、力強くエロティックな動作で踊って、八百万の神々を大笑いさせた。その様を不審に思って戸を少し開けた天照大神に「あなたより尊い神が生まれた」と彼女は言い放ち、慌てて出てきた姉を力自慢の天手力雄神あめのたぢからをに引っ張り出されたことで世界に光が戻ったが、やはり俺は追放されてしまった。


これからどうするか途方に暮れて、ふと川の方を見ると箸が流れてきた。これは、川上に人がいるに違いない。俺はそのまま上流へと歩を進めると、そこのは美しい女を間にして老夫婦が泣きじゃくっていた。嫁入りにしては辛気臭いな。何があったか尋ねると、この子はこのままでは八岐大蛇に食べられてしまうと言う。ならば、その大蛇を殺せば娘を俺の嫁にしてくれ。と頼むと出来るものなら構わんときた。よっしゃあ!俺は娘、櫛名田比売を隠すため、彼女を櫛に変えて自分の髪に挿し、そして、老夫婦に7回絞った強い酒を用意してもらうと八岐大蛇にそれを飲ませ、酔って寝た隙を突いて切り刻んだ。


「八雲立つ出雲八重垣妻籠に八重垣作るその八重垣を」


【翔視点 了】

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