表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lapis philosophorum   作者: 愛す珈琲
第六章 New class
73/114

第68話 3人目の男の娘 笹木優一

カーミラとモイセスのことを忘れてたので追加しました。

「学力判断テスト?」


「そうだ」


フィーア先生が言うにはクラスのメンバーを初等グループと中等グループと高等グループに分けて神聖波動に関する授業以外のテキストを分けると言う話だ。一律に勉強をさせるのはさすがに無理があるところでそう言うことにしたらしい。


「何も年齢で分ければ済む話じゃないの?」


「そんなことをしたら君が授業に着いて行けないじゃないか」


久保。あんた、私が学校の授業に着いて行けないと思ってるの?

これでもアイリーンにスパルタ教育受けてるのよ。

それに私にはサイコロ鉛筆、サイコロペンソー君がある。


「と言うわけで今から学力判断テストを行う。1問につき1点。教科はランダムで100問全て筆記問題であり、選択問題はない。このテストで30点台以下は初等部グループ、70点台以下は中等部グループ。それ以上が高等部グループだ」


神は死んだ。いやいや、落ち込んでいても仕方ない。分かるところをまず埋めてから分からない問題を埋めていくことにしよう。


えーと、何々。三角形の外角の和を答えよ?んーと。三角形の内角の和は180度だから一つの角が60度でしょ?で、円は360度だから(360-60)×3ね。

答えは900度。完璧。(※多角形の外角の和は全て360度です)この調子で解くぞ~。高等チームに入って久保の鼻を荒らしてやるんだから。(※鼻を明かすが正解)

次は国語の問題か。不運・不幸が重なることを例えたことわざをあげよ、か。泣きっ面に……小便だったかな?(※蜂です)


とにかくそんなこんなで順調にテストをクリアし、後は人事を尽くして天命を待つのみ。


【アイリーン視点】


玄関に一人の男が現れた。オルテガの友人と言うがそんな話は聞いてはいないし、体格やたたずまいからしてただ者ではないと推し量れるほどの実力者だ。


「当家に何の御用でしょうか」


今の私は対外的にはメイド。それとしてふるまうべきだろう。

男はアタッシュケースから短剣ダガー長剣シミターを取り出すと私に向かって構えた。


「金庫室まで案内してもらおうか」


【アイリーン視点 了】


返ってきた答案はさんざんなものだった。33点。初等グループだ。

兄さんと義姉さんに久保と時雨沢さんは高等グループ、イヴォンヌと礼志君は中等グループ。初等部グループはヴィンセント君とはちゅか。

ざっと見まわしてみると初等部グループは3割、中等部グループは5割、高等部グループは2割といったところだろう。


「二酸化マンガンに過酸化水素水を加えると何ができるかと言われても見たこともないものを聞かれても困る」


ヴィンセント君、あなたとはいい酒が飲めそうだ。未成年じゃなきゃショットバーに誘ってるよ。


「うう……その問題、水を書くのを忘れてました」


見るとはちゅの点数は39点。確かに酸素だけ書いて×をもらってる。これはちょっと厳しいかな。

はちゅはケアレスミスがなかったら中等部だったんだ。じゃあ、ひょっとしたら私も7問ほどケアレスミスがあるかも知れない。

そう思って答え合わせしたら全部見事に誤答だったよ。とほ~。


「はちゅが一番賢いなら彼女がリーダーということでいいのではないか?」


「賛成~」


「ちょ……そう言うのはセフィラの中から選んでくださいよ」


自分はホムンクルスなのでリーダーはセフィラがいいと言うのだ。セフィラか神獣人しか発動できないはずの神聖波動が賢者の石の力で使える自分はイレギュラーだからさすがに申し訳ないとのこと。

確かに見た目は兎の彼女が皆を先導するというのは絵的に厳しいものがあるのかもしれない。


初等部グループでセフィラは私とヴィンセント君それに高千穂涼介たかちほくーるがいという獅子人ウェアライオン。自己紹介の時、ゆいちゃん以外は俺のことをリョースケと呼んでくれと宣言し、そのゆいちゃんこと笹木優一ささきゆういち君に「ゆいちゃんって呼ぶなリョースケ!」と怒鳴られ「ゆいちゃんはリョースケって呼ばないで!」と返していた変な人だ。


ちなみにその優一君は高等部チームでイヴォンヌや久保と答え合わせをしている。

合格点に行ったのに答え合わせとか頭のいい人の考えることは解らない。


「セフィラは私とヴィンセント君だけだね」


「ヴィクトリアさん!?誰か忘れちゃいませんか!ここに基礎イェソドがいますよ」


基礎できてないじゃん。お前が言うなとか言われそうだけど私は王国マルクトだし。

3人で協議した結果リーダーは地元民で年長者の私に決定した。


「私がリーダーでいいの?」


「俺はこの3人の中で一番年下だしリョースケがリーダーになったらこのグループの別名が笹木優一ファンクラブにされそうだ」


消去法かあ。でも何故だろう。そこはかとなく否定できないのは。


「あ?ゆいちゃんファンクラブなんて作らねえよ。ゆいちゃんの魅力は俺が知ってれば十分だ」


確かに優一君は女の子みたいに可愛いけど男の子をゆいちゃん呼びするのはやめた方がいいと思うよ。

優一って名前よりゆいちゃんの方がイメージ的になんかしっくりくるのは解るけどさあ。


「くーるがい。キモい」


そう言っていつの間にかこっちに来てた優一君が後ろ足で涼介を蹴り飛ばした。

さすがケンタウロス。馬力が凄いね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ