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Lapis philosophorum   作者: 愛す珈琲
第一章 Adventure
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第2話 男の娘と脳筋

「新しい仲間のフォルテ君です」


宿屋に着くと、初音はそう言って俺を彼女達の仲間という二人に紹介した。


一人はいかにも脳筋って感じの筋肉隆々な大男。

もう一人は女の子みたいな顔をした中肉中背の男の娘だ。


「俺はエルキュール。エルキュール・イスカンダル。エルって呼んでくれ」


「ああ。よろしくな。エル」


「猫が喋った!?」


脳筋の方は気にした様子もなく俺の右前足を掴んで振っている。

多分握手のつもりなんだろうが男の娘は驚き戸惑っているようだ。


「猫が喋ったっていいだろ。人間しか喋っちゃいけないって誰が決めたんだい?」


思わひねくれた言い方をしてしまったが彼は素直な性格らしくごめんと謝られた。

少し意地悪すぎたか。


「僕はアーサー。アーサー・ラックスウェルだよ。よろしく」


「フォルテだ」


また握手。何かこれ落ち着かないなあ。


「というわけで私、フォルテをお風呂に入れてくるから」


風呂かあ。

女の子と一緒に風呂とかそれどんな桃源郷だよ。

しかもどうせだから一緒に入っちゃおうとか言い出す始末。


「シャワー怖ええ!!」


桃色気分なんかすっ飛んだわ。自分に水が降りかかってくるのが何故かやたら恐ろしい。

しかも雨みたいに冷たくないのが違和感ありすぎて「うわあ」って感じだ。

もちろん嫌な意味で。


「こおら。暴れるな」


口から思わずふにゃあと悲鳴がもれる。

あんた初見のときのクールさどこに置いてきたんだよ。

石鹸で泡塗れにされてなきゃ着やせするらしい意外と大きな胸とかつるつるの下腹部とか平常時なら興奮してたんだろうけど今の俺にそんな心の余裕はない。

ただ笑顔は可愛いと思う。


「こいつ。余裕あるんだかないんだか解らねえな」


カーミラは湯船につかりながらこっちを退屈そうに見てる。


「猫は初音が洗う。初音は私が洗う。完璧だね」


「私は自分で洗うわ」


途端にクールになったな。おい。

3人して風呂から上がるも男二人はまだ風呂のようだ。


「・・・って男女で雑魚寝かよ」


「部屋分けてる余裕ないし、変なことしたら空気悪くなることぐらい解るだろうし大丈夫だよ」


昨日今日の話ではないという。

確かに理性はあるんだろうが・・・。


「ただいまあ」


「いいお湯だった。風呂場にいた連中は皆冒険者のはずなのにアーサーとどっこいどっこいのヒョロ男ばっかりだったのが気抜けしたがな」


男二人も戻ってきたようだ。

おい脳筋。何を期待していたんだお前は。

さて寝るかという段階になった時初音は隣をエル。その隣をアーサー。一番奥をマルガリータとした。

恐ろしく信用がないな。

アーサーを隣にした理由は彼は自分の筋肉にしか興味がないから安全なのだそうだ。

いや、こいつにも性欲ぐらいあると思うぞ。

でもこれがいつもの布陣だとか。

そして何事もなく朝を迎えた。


「さて。では今日もはりきってプラント探しましょうか」


「プラントって何?」


「フォルテ君知らないの?」


何しろこの世界に来て2日目だからな。

初音の話によるとプラントというのは魔王の瘴気を放つモンスターでこいつがエビルジュールを作る実行犯だそうだ。


「ふうん。向こうの山から変な匂いがするのがそうかな」


なんか嫌な匂いを向こうの山から感じるんだよね。


「ひょっとして猫は瘴気の匂い辿れるのか!?」


「瘴気かどうかは知らないけど変な匂いがする」


「それじゃあ今日はフォルテ君に従って4人で行こうか」


「「うん行こう!4人で」」


アーサーとカーミラがきれいにハモったところで出発することに。

山に入って匂いを辿って行くとそれらしいモンスターを発見したのだがそれはたった一人の黒い騎士によって倒されていた。


「貴殿らに行ってもらいたい所がある」


その瞬間意識がホワイトアウトした。ってまたか?またなのか?

ひよこは嫌だあ!!

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