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Lapis philosophorum   作者: 愛す珈琲
第一章 Adventure
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第1話 スコティッシュ・フォールドって何だよ

気がつくとまたあの生と死の間とやらにいた。


「何を勝手に死んでおる」


でけえ!?幼女がいつの間にかでかくなってるよ。


「わしがでかくなったのではないぞい。お主が小さくなったのじゃ」


そう言って幼女は姿見を出した。

そこに映っているのは明らかに猫。

俺の姿はない。

ためしに左腕を挙げると映っている猫は右前脚を上にあげる。


「これ俺!?」


「お主の体はエビルジュールに食われおったからスコティッシュ・フォールドの中にお主の魂を入れたらの、目が赤くなったんじゃよ。不思議さね☆」


スコティッシュ・フォールドって猫の品種だろうなあ。果てしなくどうでもいいけどそれより。


「なんだよそのエビルジュールって言うのは?」


あの化け物はなんなんだ。生きながら動物に食われるなんて不可思議体験させやがって。


「エビルジュールと言うのはまたお主にまた行ってもらうあの世界に生息するモンスターじゃよ。魔王の瘴気に当てられてモンスター化した宝石さね。倒すと宝石になるからバンバン倒すがよいぞ」


そういうことは先に言え。それ以前にそんな物騒な世界に送るな。


「いかん。お主は強すぎるからそういう物騒な所に送らぬと恒常性が保てないんじゃよ」


恒常性ねえ。思考の海に沈みかけたとき地面に穴が空いた。・・・って、ゑ!?


「次勝手に死んだらひよこにするぞい」


そりゃあねえだろ!!

俺はそのまま自由落下し、またうっそうと茂った森の中に着陸した。

どうせならモンスターだかイビルジュールだかが出そうにないところへ落としてくれないかな。


Grrrrrr…。


またか。またなのか。

見ると俺を殺しやがったモンスターがそこにいた。

牙をむいて襲い掛かるそれを爪を立やっぱりかてて反撃するとカウンターになったのかエビルジュールは飛びのき俺から距離をとる。。

やっぱり噛み付くしかないのかと思ったがどうやら俺には刀があるらしい。

虚数空間からマルクトという日本刀のような形状の剣の柄を口にくわえ襲い掛かってくるエビルジュールを真っ二つにすると黒い湯気のようなものを放ち、それは宝石になった。

あのロリババアの言うことは正しいようだ。


「・・・」


剣をしまうと通りすがりのウサギ耳を頭につけた少女がその宝石を腰の袋に・・・って待て待て。


「別にいいけどさ。一言なんか言えよ」


「・・・誰かの声がする」


「下だ下」


少女の視線はようやく俺に向いた。


「・・・猫?」


「そのエビルジュールだった宝石を倒した者だ。悪いが人里まで案内してくれないか」


「解った。問題は宿代が足りるかどうか」


彼女がそういった途端風を切る音がして空から赤い翼を生やした女が空から飛んできた。


「あれもエビルジュールか!?」


「あれは殺しても死なないし、1ラスクにもならない」


ラスク?何でここで菓子の話が?ひょっとして通貨単位か?


「酷いなあ初音。それが恋人に言う言葉?」


「私に伴侶はいないわ。今までもそしてこれからも」


「寂しいよお、そんな人生。私は死なないから私とつがいになろうよー」


「断る」


何だこいつらは。あきれ返っていると草むらががさがさ動き、3匹の巨大な蛙が現れた。

うおっ!?

俺は驚き、思わず口から炎を吐くと、一匹の蛙は宝石になったが、残りの蛙は女の子二人に粘液のようなものを吐き付けた。

ウサギ耳の女の子はそれをかわし、通常のものより2回り太いバールのようなものを手に取ると、2匹目の蛙の頭殴って一撃で屠り、赤い翼の子もそれをかわしモーニングスターをゴルフクラブのように下から上に振り上げて蛙を空に飛ばした。落ちるとそれはすぐさま宝石に。


「ふうん。強いんだね。この猫」


いやいや、あんたらも大したものだと思うぞ。


「私、兎人の御厨初音。よろしくね」


「私は鳳凰人のカーミラ・アインシュテルンだ。・・・ちっ。オスか」


他人の体を勝手に持ち上げて確認しないでくれるかな。人じゃないけどさ。

しかし名前ねえ。思いっきり人間みたいな名前だしさすがに不自然だと思うが名乗ったほうがいいのかなあ。


「猫君の名前は?」


「えっと・・・」


元の名前はあまりにも人間そのものの名前なので逆にマヌケすぎる。

どうしたものか考え、まだないことにすると初音がフォルテとつけてくれた。

音楽記号かよ。まあいいけどさ。

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