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プロローグ
いつものように起きて、
いつものように朝食を食べ、
いつものように歯を磨き、
いつものように家をでる。
これが日常なのだ。面白味もありゃしない。
何も変わりやしない。
けど、変わらないことはいいことなのだろう。
例えば、明日、急に父の会社がつぶれて
家族全員が途方に暮ても困るし、
自分は妖精もしくは魔法使いだ、などと名乗る
不審者野郎に出会って、
騒ぎに巻き込まれたくもない。
何も変わらないこと、日常が一番なのだ
面白味が無く、ただ平凡な日々でも、
自分だけの幸せはたくさんあるのだから
僕はまた今日も家を出る。