ep.4 眼帯少女の秘めた思いとは
先日、旅の仲間になった眼帯少女。
なんで眼帯をつけているのだろう。
目の病気だろうか。聞くに聞けない。
実は、こんなことを考えているのかもしれない。
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見たくないものがあった。
見えないものが見えればいいと思った。
戦いで傷をおったわけではない。
特殊な力の暴走を抑えているのではない。
実は、ただ単に眼帯をつけてみた。
あえていうなら、片目が見えない人の世界はどんなだろうか。
世界の見え方はどう変わるだろうか。
それを理由にできそうだ。
決して、鏡の前で悦に浸っているわけではない。
眼帯をつけてどうなった?
望まず視力を失った人を怒らせる物言いかもしれないが、
片目を隠すことで見なくていいものを見ずに済む…のかもしれない。
嫌なものが見えない側にあってくれれば、私は「見ていない」「知らなかった」といえる。
世の中には、見たくないこと、知りたくないことがたくさんある。
そう。
心無い一言に傷ついていたあの子。
幼馴染の、増えていく手首の傷。
遊びのフリをした暴力。
私は、無関心なのではない。
許容したのでもない。
無視したのではありえない。
だって、見えないのだから。
手で目を塞いで見ないようにしたのではない。
眼帯があるから、仕方がない。
テレビは消そう。
世の中は不幸な人々でいっぱいだ。
何もできない自分がいるのではない。
知らなかったんだから。
一人ひとりの心は優しくても、社会の仕組みが、実情が、孤独を感じさせる。
次は、両目を瞑ってみようか。
車椅子に乗ってみようか。
眼帯がファッションだったなら。
好きでそうしているなら。
それなら良かったのに。
この眼帯は、自分の身から湧き起こる何かを隠しているのではない。
しかし、見えないものを見せる力があるのかもしれない。
ほら。
見たくないものから背けたからこそ、人に優しくなれた。
そんな、頭の中でふざけて正当化する自分のことも、本当は見たくない。
人に眼帯をつけている理由を聞かれたら、なんて言おう。
「おまえだって、心の眼帯をつけているだろう?」
心の中で、そう言ってやるんだ。
そう、いつだって私は、心の中でだけ、威勢のいい、弱者の味方のスーパーヒーローだ。
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