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『銀座ママ、北条政子に転生す 〜善人なのに悪女と呼ばれたので、今日も鎌倉を籠絡させます〜』  作者: 双鶴


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第47話 比企宗員、評定で自滅する

翌朝の評定。


御家人たちはざわついていた。


「今日は政子様が来るらしい……」

「比企宗員殿も呼ばれたとか……」

「何かが起きる……」


(ええ、起きるわよ。

 “影”が光に焼かれる瞬間が)


私は静かに評定の間へ入った。


空気が一瞬で止まる。


「政子様だ……」


(この“止まり方”が一番動かしやすい)



比企宗員は、

明らかに顔色を失っていた。


しかし、

彼は最後の虚勢を張った。


「政子殿……

 なぜ私を呼んだのです……?」


私は静かに言った。


「あなたが“影の中心”だからよ」


評定の空気が揺れた。


「影……?」

「中心……?」

「宗員殿が……?」


宗員は震えた。


「ば、馬鹿な……!

 私は何も……!」


私は一歩近づいた。


「では聞くわ。

 この偽文書──

 あなたの筆跡よね?」


私は文を掲げた。


御家人たちが息を呑む。


宗員の顔が真っ青になった。


「そ、それは……

 私は……

 知らぬ……!」


(追い詰められたわね)


私は静かに言った。


「宗員。

 影はね、

 “光の前に出た瞬間”に消えるのよ」


宗員は叫んだ。


「政子殿こそ……!

 鎌倉殿を操っているのだろう!

 御家人たちを従わせ、

 鎌倉を北条のものにしようとしているのだろう!」


評定がざわつく。


「操っている……?」

「政子様が……?」

「そんなはずは……!」


(ああ、宗員。

 あなた、完全に自滅の道を選んだわね)


私は静かに言った。


「宗員。

 あなたは“影”として動いた。

 でも──

 影は光に弱い」


宗員は震えながら叫んだ。


「政子殿は悪女だ!

 鎌倉殿を惑わせ、

 御家人を支配し、

 鎌倉を……!」


その瞬間──

評定の扉が開いた。


「──誰が政子を悪女と言った」


空気が凍りついた。


頼朝が立っていた。


宗員の顔から血の気が引いた。


「か、鎌倉殿……!」


頼朝はゆっくりと歩み出た。


「宗員。

 お前が流した偽文書……

 すべて聞いた」


宗員は膝をついた。


「ち、違うのです……!

 私は……

 私はただ……!」


頼朝は冷たく言った。


「政子は私を操ってなどいない。

 政子は“鎌倉の柱”だ。

 お前の影の策など、

 政子の光には勝てぬ」


宗員は震えた。


「鎌倉殿……

 お許しを……!」


頼朝は背を向けた。


「許すかどうかは──

 政子が決める」


評定の空気が一気に政子へ向く。


(ああ、この瞬間。

 空気が“私を中心に回る”瞬間)


私は静かに言った。


「宗員。

 あなたは影として動いた。

 でも──

 影は光に焼かれるの」


宗員は崩れ落ちた。


「政子殿……

 私は……

 私は……!」


私は背を向けた。


「宗員。

 あなたの役目は終わりよ」



──夜。


私は灯りの下で筆を取った。


(宗員は自滅した。

 でも──

 影の本体はまだ残っている)


筆が走る。


「……次は能員」


私は静かに笑った。


──悪女は、

影の“本体”を逃がさない。


そしてこの日、

**比企宗員は評定で自滅し、

鎌倉の空気は政子へと完全に傾いた。**


嵐の中心は、

まだこれから動き出す。


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