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『銀座ママ、北条政子に転生す 〜善人なのに悪女と呼ばれたので、今日も鎌倉を籠絡させます〜』  作者: 双鶴


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第46話 政子、“影を表へ引きずり出す”

翌朝の鎌倉。


昨日の偽文書事件は、

まだ誰も知らないはずだった。


──はず、なのに。


「政子様が……鎌倉殿を操っているらしい」

「いや、そんなはずは……」

「でも……文が出回っていると……」


(ああ、やっぱりね。

 影の策は“静かに広がる”のが特徴)


侍女が駆け込んできた。


「政子様……!

 町で“政子様の悪評”が……

 広まり始めています……!」


私は静かに言った。


「ええ、知っているわ」


侍女は固まった。


「ど、どうして……

 そんなに落ち着いて……?」


私は微笑んだ。


「影はね、

 “広がり始めた瞬間”が一番弱いのよ」



──義時の屋敷。


義時は焦りで顔を真っ赤にしていた。


「姉上……!

 偽文書の噂が……

 御家人たちの耳にも入り始めています……!」


私は静かに言った。


「義時。

 宗員は“影”として動いている。

 影は、光に当てれば消えるわ」


義時は息を呑んだ。


「では……

 どうされます……?」


私は微笑んだ。


「宗員を“表”へ引きずり出すのよ」


義時は震えた。


「姉上……

 あなたは……

 影の動きまで……

 完全に読んでいるのですね……!」


(読むだけじゃないわ。

 “動かす”のよ)



──その頃、比企宗員の屋敷。


宗員は満足げに笑っていた。


「ふふ……

 偽文書は広がり始めた。

 政子殿の評判は落ちる。

 能員様の影として、

 私は役目を果たしている……!」


家臣が不安げに言う。


「しかし宗員様……

 政子様は……

 恐ろしいほどの策士……

 お気をつけませぬと……」


宗員は鼻で笑った。


「政子殿は“光”だ。

 光は影を見ない。

 影に気づくことはない」


(あら、宗員。

 あなた、完全に勘違いしているわね)



──政子の屋敷。


私は侍女に命じた。


「宗員の屋敷に“あるもの”を届けて」


侍女は首をかしげた。


「あるもの……?」


私は微笑んだ。


「ええ。

 “影が嫌うもの”よ」



──比企宗員の屋敷。


宗員の前に、

一通の文が届けられた。


家臣が震えながら言う。


「宗員様……

 こ、これは……

 政子様からの文でございます……!」


宗員の顔が強張った。


「……政子殿から……?」


文には、

たった一行だけ書かれていた。


──“明日、評定でお会いしましょう。

   影の中心・比企宗員殿”──


宗員の顔から血の気が引いた。


「……な……

 なぜ……

 私が“影”だと……

 分かった……?」


家臣が震えた声で言う。


「宗員様……

 政子様は……

 影を読むお方……」


宗員は文を握りしめた。


「……まずい……

 これは……

 まずい……!」


(ええ、まずいわよ。

 あなたはもう“表”に出されたの)



──夜。政子の屋敷。


私は灯りの下で静かに筆を取った。


(宗員。

 あなたは影として動いた。

 でも──

 影は光に弱い)


筆が走る。


「……明日、宗員を“表”で裁く」


私は静かに笑った。


──悪女は、

影を逃がさない。


そしてこの日、

**政子は比企宗員を“影”から“表”へ引きずり出し、

第二章の戦いは一気に加速した。**


鎌倉は、

嵐の前の静けさに包まれる。


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